2009年1月15日、ニューヨークのハドソン川に不時着水した航空事故を題材とした映画『ハドソン川の奇跡』が、9月24日から全国で公開される。公開を控えた16日、主演のトム・ハンクスさんらが来日し、作品をピーアールした。
ハドソン川に不時着水したのは、USエアウェイズ(AWE/US)のUS1549便(エアバスA320型機、登録番号N106US)。乗客150人とパイロット2人、客室乗務員3人の155人を乗せ、ニューヨークのラガーディア空港からノースカロライナ州シャーロットを経由し、シアトルのタコマ国際空港へ向かう予定だった。
米国家運輸安全委員会(NTSB)の航空機事故報告書によると、US1549便は午後3時24分に滑走路(RWY4)から離陸したが、直後にカナダガンの群れがエンジンにぶつかるバードストライクが発生。A320の主翼に左右1基ずつ搭載するCFMインターナショナル社製エンジンCFM56-5B4は、高度2800フィート(約850メートル)で2基とも停止してしまう。
エンジンは2基とも再始動出来なかったことから、チェスリー・サレンバーガー機長は、近くの空港への緊急着陸を断念し、ハドソン川への不時着水を決断。午後3時27分にサレンバーガー機長がラガーディア空港の管制官に対して緊急事態を宣言し、機長昇格に向けて離陸を担当したジェフリー・B・スカイルズ副操縦士から操縦を替わり、午後3時30分にハドソン川へ機体を降ろすことに成功した。しかし、この犠牲者を一人も出さなかった決断に、思わぬ疑惑が掛けられる──。
監督はイラク戦争で活躍した米海軍特殊部隊「ネイビーシールズ」の伝説の狙撃兵、故クリス・カイル氏の苦悩を描いた『アメリカン・スナイパー』を手掛けたクリント・イーストウッドさん、主人公のサレンバーガー機長をトム・ハンクスさんが、スカイルズ副操縦士をアーロン・エッカートさんが演じる。イーストウッド監督と2人は初めてタッグを組んだ。
また、USエアウェイズは事故後にアメリカン航空(AAL/AA)と合併したが、撮影では同社が協力に応じた。
来日したハンクスさんは、映画を見る生還した乗客たちに「われわれが過度に脚色することなく、事実を事実としてちゃんと伝えたか、正確に伝えたかを見ていただきたい」と語り、事実に忠実な作品を目指したという。
ハドソン川に無事に着水させた二人のパイロットについて、「サリー(機長)とジェフ(副操縦士)は、事故の時は同じチームで乗務する4日目で最後の日だった。彼らはそれまで会ったこともなかったが、お互いを尊敬していた」とたたえた。
US1549便には、日本人も2人乗っていた。出口適(でぐち・かなう)さんは、事故当時の機内の様子を「最後まで普通だった」と振り返った。ハンクスさんは、彼らの荷物が手元に無事戻ったかを気に掛けていたが、滝川裕己(ひろき)さんは「荷物はきれいにクリーニングされて戻ってきた」と話した。
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