ボーイングは南アフリカ航空(SAA/SA)らと協同で、バイオ燃料を使用した旅客便の運航をアフリカで初めて実施した。ニコチンを含まないタバコ植物を原料とし、ヨハネスブルグからケープタウンまで飛行した。
現地時間7月15日、南アフリカ航空傘下のLCC、マンゴ(MNO/JE)が運航した。運航機材は737-800型機で、計300人を運んだ。使用した燃料はタバコ植物「ソラリス」から精製したもので、通常の燃料に30%混合した。燃料はバイオ燃料を研究するオランダのSkyNRG社が精製した。
ソラリスはタバコ農家がタバコの代わりに生産できるもので、ニコチンを含まない。バイオ燃料はソラリスの種子から生成する。
ボーイングと南アフリカ航空は、2013年からバイオ燃料の協同研究を開始。2014年にはソラリスを収穫した。
機体メーカーや航空各社は、バイオ燃料実用化への取り組みを進めている。ユナイテッド航空(UAL/UA)は2016年3月、非食用の天然オイルと農業廃棄物を使用し、航空バイオ燃料での商業飛行は米国内で初めて実施した。
日本ではユーグレナ(2931)が、ミドリムシを用いた国産バイオジェット・ディーゼル燃料の開発を進め、2020年までの実用化を目指している。バイオ燃料は全日本空輸(ANA/NH)が導入し、1時間程度の路線に投入する見込み。
関連リンク
Boeing
ボーイング・ジャパン
南アフリカ航空
mango
SkyNRG
各社のバイオ燃料への取り組み
・ユナイテッド航空、バイオ燃料で定期便 60%以上CO2削減(16年3月17日)
・ユーグレナとANA、20年までに国産バイオ燃料 ミドリムシで飛行機飛ばす(15年12月2日)
・ゴミや廃油から航空燃料、2020年までに供給へ 東大など(15年7月13日)
・南ア農家、バイオ燃料用タバコ収穫へ 15年に試験飛行も(14年12月10日)
・ボーイング、下水油からバイオ燃料 中国COMACと共同研究(14年10月22日)