全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は7月5日、国や自治体、旅行会社などと共に、熊本地震による被害が発生した九州への旅行需要を喚起しようと総決起集会を開いた。
ANAグループは6月1日から、九州発着便の一部運賃のタイムセールや、訪日客向け運賃の値下げなど、送客支援を中心とした「でかけよう九州」プロジェクトを開始。7月からは、9月搭乗分の羽田・伊丹・中部発着便で、早期購入割引運賃「旅割」を一部値下げするほか、対象となる九州路線を特典航空券で搭乗すると、1片道あたり529(Go to 九州)マイルをマイルバックするなどの取り組みを始めた。
5日に総決起集会が開かれた都内のホテルニューオータニには、観光庁や国土交通省航空局(JCAB)、九州全7県(福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島)の観光担当部署、旅行会社などから約270人が集まった。県の担当者は地元の実情を説明しながら、観光の見どころなどをピーアールした。
ANAは国の九州旅行に対する補助金180億円を活用する形で、自治体や旅行会社と連携し、旅行需要の掘り起こしにつながる旅行商品作りに取り組む。
また、5月から熊本空港周辺の被災地に開設しているお風呂「こころの湯」の提供期間は、6月末までの予定を7月31日までに延長している(関連記事)。
鹿児島県出身の片野坂真哉ANAHD社長は、「九州の人はみな、自分の地元の良さをアピールする。これを我々がつなげて、観光客を呼び込みたい」と抱負を語り、九州全域への旅行需要を盛り上げていく決意を示した。
関連リンク
ANAホールディングス
全日本空輸
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