全日本空輸(ANA/NH)の篠辺修社長は、今後の就航地として南欧とフランクフルトより北側を検討していることを明らかにした。
手薄な南欧
ANAは現在、ロンドンとパリ、フランクフルト、ミュンヘン、デュッセルドルフ、ブリュッセルの6都市へ就航。欧州内の接続は、共同事業(JV)を展開するルフトハンザ ドイツ航空(DLH/LH)を中心とするルフトハンザグループのネットワークを活用している。
6月30日、成田空港で取材に応じた篠辺社長は、「欧州の就航地は南ヨーロッパとフランクフルトより北側はゼロ。欧州の(南北)両側が手薄なので検討している」と語った。
一方、今年1月に成田へ就航したLOTポーランド航空(LOT/LO)との提携については、「日本の国内線から始めたい」(篠辺社長)とした上で、LOTが就航するワルシャワについては、「ルフトハンザとの調整があるので、時間が掛かると思う」との見通しを示した。
欲しい時間帯にスロット不足
成田空港では、3本目の滑走路の建設計画が進んでいる。一方で、年間30万回の発着枠(スロット)に対して、2015年度の国際線と国内線を合わせた総発着回数は23万5190回(前年度比3%増)にとどまる。
篠辺社長は「全体のスロットに余裕があるのと、欲しい時間帯にスロットがないという問題が同居している」と成田の課題に触れた。
ANAは航空連合「スターアライアンス」に加盟。篠辺社長は「スターアライアンスとしては、90分以内に接続便をつなげたい。加盟社もANAも同じ時間帯に集中する」と、発着時間が重なる理由を説明した。
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