Aviation Wireをご覧の皆さま、こんにちは!客室乗務員(CA)経験者専用の情報共有サイト「CREW WORLD」です。
前回は「経験者が明かすCAの必須能力は?」と題し、勤務時間や場所が不安定で、毎回違ったクルーとフライトするなど、環境に応じて柔軟に対応しなければならないCAに求められる自己管理能力の大事さにについてご紹介しました (関連記事)。
皆さんの中で、バディ(Buddy)という言葉に馴染みのある方はいらっしゃいますか? バディとは、辞書の中では「相棒、仲間」と意味が書かれています。CAの世界では、訓練実習や実際のフライトで、常に二人一組になって互いに助け合いながらフライトをするために、バディ制度は欠かせないものと言えます。
表現方法は違うかもしれませんが、職場にCAのバディ制度と似たようなものを取り入れている企業はあるかもしれませんね。
左右でペア組むバディ制度
よくCAを題材にした映画やドラマで「L1◯◯です」「R2◯◯です」と、インターホン越しにCAが話しているシーンがありますね。この「L1」「R2」とは一体何を意味しているのでしょうか?
これは各自が自分のポジションを伝えています。飛行機には、前方から後方へ向かって、1番ドア、2番ドア、といくつかのドアがあります(機種により順番の考え方や呼び方に違いがあります)。CAにとって、各ドア付近が自分のポジションになります。このポジションのことを、ステーション(station)と呼んでいます。
ドアは各ステーションの左右に設置されており、進行方向左側がLサイド、右側がRサイドとなります。
つまり、「L1◯◯です」の“L1”とは、左側の一番前のドアを意味します。同様に、「R2◯◯です」のR2は、右側2番目のドアを指します。
このLサイドとRサイドですが、基本的にコックピットを含め、機内ではLサイドに各種報告系統の責任があるとされています。
コックピットでは機長がLサイド、副操縦士がRサイドに着席(機長資格保持者が2人乗務する場合もあり)。客室もLサイドに乗務歴の長いCAや、リードキャビンアテンダント、パーサー、インチャージ(クラス責任者)といった肩書きを持った人が担当することが多いです。その中でも、L1は客室の総責任者であるチーフパーサー(先任客室乗務員)が務めます。
フライトに不可欠なチームワーク
客室では、ステーションごとにLサイドとRサイドがバディを組んで仕事を進めます。お客様へのドリンクやミールサービスもバディ同士で行い、客室の安全確認も、Rサイドが確認に時間がかかっていれば、Lサイドがサポートに入ります。
そして、離陸前のステーション内の安全確認をはじめ、お客様へのサービス状況、普段とは違う異変など、あらゆることをLサイドが取りまとめてL1のチーフパーサーへ報告。その後、L1から機長へ報告というように、LサイドとRサイドがペアで客室を管理しているのです。
バディ制度は連帯責任を生むことがあるので、CAにとっては厳しい面もあります。しかし、バディ制度の厳しさが日々の行動に責任感を持つことにつながります。また、「安全性」「定時性」「快適性」を現場で求められるCAという仕事は、バディ制度に助けられる面も多いと言えます。チームワークが求められるフライトの現場に、バディ制度は欠かせないものなのです。
次回、飛行機の乗る機会がありましたら、ぜひLサイドとRサイドに注目してみてください。
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*次回は7月10日掲載予定です。本連載は隔週掲載です。
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関連リンク
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連載・CREW WORLDのアテンションプリーズ!!
・第39回経験者が明かすCAの必須能力は?(16年6月12日)
・第38回世界中のエアライン共通!CA経験者が明言するCAに必須の能力とは(16年5月29日)
・第37回限られた時間で完璧に!CAの離陸前安全確認とは(16年5月15日)
・第36回CAがフライトで必ず意識する「音」と「色」とは?(16年5月1日)
・第35回CA経験者が語る、合格の秘訣は?(16年4月17日)
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