全日本空輸(ANA/NH)は6月23日、「LGBT」などいわゆる性的少数者への取り組みを社内外で開始すると発表した。利用者向けのサービスや社内の福利厚生を充実させ、多様性(ダイバーシティ)のある環境を構築していく。
利用者向けのサービスは、7月1日からANAカードのファミリーマイルで、同性パートナーの登録を受け付ける。申込時に住民票や地自体が発行するパートナーシップ証明書類などを提出する必要がある。また、会員が貯めたマイルを同性の家族が利用することもできるようにする。
羽田と成田、伊丹の各ラウンジに設置している多目的トイレに、レインボーカラーのシンボルマークをデザイン。男女や障がい者だけでなく、LGBTの利用者にも使いやすいユニバーサル施設を目指す。
シンボルマークは赤と橙、黄、緑、青、紫の6色を配色したもので、尾翼の形をデザインした。
社内向けにはLGBTの相談窓口を設置。グループ社員からの個別相談に応じる体制を導入する。このほか、管理職などマネジメント層を対象に、LGBTに関する理解を深めるための啓発プログラムを強化する。
また、同性パートナーを配偶者とみなすことを前提として、慶弔金の支給や休暇制度など福利厚生制度もLGBTに対応する。
LGBTは、女性同性愛者の「レズビアン(L)」、男性同性愛者の「ゲイ(G)」、両性愛者の「バイセクシャル(B)」、心と体の性が不一致の「トランスジェンダー(T)」の頭文字をとった性的少数者の総称。2015年の電通(4324)調査によると、日本人の7.6%がLGBT層に該当するという。
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