ビジネスクラスに新シートを導入した、日本航空(JAL/JL、9201)のボーイング777-200ER型機の国際線新仕様機「スカイスイート777」。東南アジアやハワイなど中距離路線に投入する機材で、6月18日から羽田-バンコク線(JL031/034便)に就航し、年明けからはホノルル路線にも投入する。
—記事の概要—
・最後のワイドボディー機改修
・プライバシー確保と隣席との会話両立
・写真25枚
最後のワイドボディー機改修
JALが国際線で運航するワイドボディー機では、777-200ERが新仕様への最後の改修となった。改修初号機(登録番号JA701J)が18日に就航後、2017年度内に全11機の改修を終える。
フルフラットシートの採用など、新仕様機への最初の改修となった長距離路線用機材777-300ER「スカイスイート777」は、2013年1月9日に就航。2013年12月1日から767-300ERの「スカイスイート767」が、2014年12月1日から787-8の「スカイスイート787」が就航し、当初から新仕様機として設計された787-9は、2015年7月1日に就航している。
座席数は3クラス236席で、ビジネスクラス「スカイスイートIII」が横4席1-2-1配列で42席、プレミアムエコノミー「スカイプレミアム」が横8席2-4-2配列で40席、エコノミー「スカイワイダー」が横9席3-4-2配列で154席。現行の3クラス仕様機の245席と比べると総座席数は9席少なく、ビジネスを14席減らし、エコノミーを5席増やした。
写真特集は、ビジネスクラス編とプレミアムエコノミー・エコノミー編に分け、各シートを写真で解説する。
プライバシー確保と隣席との会話両立
ビジネスクラスは、新設計したフルフラットシートを斜めに配置するヘリンボーン配列を、JALでは初めて採用。足もとが完全に立体交差するゾディアック・シート・UK(旧コンター)製で、JALがローンチカスタマーとなった。
ベッドポジションでは、足もとまで十分なスペースを確保。中央2席は、ベッドポジションにした際に進行方向左側席はシートが下へ、右側席は上に移動することで、足もとスペースが上下に立体交差している。
通路側用に小物入れのある可動式アームレストを開発。ベッドポジションでは高さを揃えると、ベッドとして使える面積を増やせる。中央2席の間には、可動式のプライバシーパーティションを設けた。
各席ごとのプライバシーを確保するとともに、ホノルル線などカップルでの利用が見込まれる路線にも投入するため、隣席の同行者と会話が出来る構造を採り入れた。
個人モニターは、現行仕様機が9インチから10.4インチであるのに対し、17インチに大型化。パソコンで作業しやすい収納式大型ダイニングテーブルや、500mlのペットボトルをはじめ身の回り品を収納できるスペース、パソコン用電源、スマートフォンの充電などに使えるUSBポート、4段階の調節が出来るLEDライトを装備する。
ベッド長は最大約198センチ、ベッド幅は同74センチ、アームレスト間のシート幅は約51-52センチとなっている。また、全席から通路へアクセスできる。
IFE(機内エンターテインメントシステム)は、787の新仕様機「スカイスイート787」と同じく、最新の「MAGIC-VI」を導入。仏タレス製のシステムで、映画やビデオ、音楽など300以上のプログラムが楽しめる。また、モニターに触れた状態で指を滑らせる「スワイプ操作」に対応している。
無線LANによる機内インターネット接続サービス「スカイWi-Fi」も提供。米パナソニックアビオニクス製の航空機内インターネット接続サービス「eXConnect」を採用する。また、ビジネスクラスのラバトリー(洗面所)には、温水洗浄便座「ウォシュレット」を設置した。
投入路線は羽田-バンコク線を皮切りに、8月から羽田-シンガポール線、年明け2017年初から羽田-ホノルル線と関西-ホノルル線、同年春からは成田-ホノルル線、中部-ホノルル線にも投入を予定している。時刻表の表記は「SS2」で、長距離路線用777-300ERの「SS7」と区別する。
運航スケジュール
JL031 羽田(11:20)→バンコク(15:40)
JL034 バンコク(21:55)→羽田(翌日06:05)
*火曜のみ座席仕様の異なる機材で運航
*写真は25枚。
*プレミアムエコノミーと3-4-2席配列を採用したエコノミー編はこちら。
*初便の記事はこちら。
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