前回路線編のつづき。2020年開催の東京オリンピックまでに投入する機材については、客室仕様を最終決定するタイムリミットが近づきつつある。
日本航空(JAL/JL、9201)は2013年10月、ボーイング777型機の後継機としてエアバスA350 XWBを導入すると発表。標準型のA350-900を18機、長胴型のA350-1000を13機の計31機確定発注し、オプションで25機を購入する契約を締結した。
初号機が就航するのは2019年を予定。国内線用のA350-900が最初の機体になるとみられ、777を6年程度かけて置き換えていく。
一方、全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(9202)は、長距離国際線に投入している777-300ERの後継機として、ボーイング777-9Xを20機発注。3クラスのメーカー標準座席数を見ると、777-300ERが365席、A350-1000が366席、777-9Xが約400席で、777-9Xは約10%席を増やせ、A350-1000は同等となる。
JALは現行機777-300ERと同等サイズのA350-1000を発注したが、より大きな機材は必要ないのか。また、置き換えが始まっていないボーイング767型機の国内線仕様機の後継はどのような機材にするのか。
本特集のJAL編第1回目では、大西賢会長に路線や機材の計画を聞いた。第2回目の今回は、JALの機材計画や北米とアジアを結ぶ直行便就航後の戦略について。そして、地域の特産品を扱うプロジェクトの狙い、求める人物像などを尋ねた。
—記事の概要—
・777X導入の可能性
・18時間飛べる機材「身体能力が追いつかない」
・特産品の産業化目指す
・求める人物像
*次回はANA篠辺修社長へのインタビューの路線編です。
777X導入の可能性
── 777Xのような機材は必要になるか。
大西会長:バリエーションの一つだと思う。しかし、A380はデカいよね、となる。
マーケットや路線によって、A350-1000より大きい機材が欲しいことはあると思う。航空機のフリートのサイズは、だいたい20機あると投資に無駄がない。格納庫もシミュレーターも、20機持っていればフル活用できる。
A350は31機なので、次は乗り換えても良い。30機持っている機材を50機に増やしたところで、ものすごく(投資効果が)良いということはない。ひとつの固まりとして、31機は十分成立しているから、次のサイズを選びにいくことは可能。そこはフリーハンドだ。A350に縛られる必要はない。
これが10機しかない機材だと、あと10機はこの機種でいきたいと思うけれど、30機あれば十分だ。
── MRJの前段階に入れるエンブラエル190も就航した。大型機もA350を発注し、フリーハンドになった。
大西会長:それは787の教訓(記者注:度重なる納入延期)が生きている。今までは信じてきた相手だけど、そうじゃないことが起きた時に、どう対策を考えれば良いのかを学んだ。レッスン・アンド・ランだ。
── 767の後継機はどうするのか。
大西会長:767は787で基本的には置き換えられる。次はどの機材かと言えば、150席クラスのボーイング737-800。2006年に初号機(登録番号JA301J)が来ている。
国内線でフルに使うと、15年程度が目安だと思う。2020年あたりから
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