エアバスは現地時間5月30日、新型エンジンを搭載した小型機A320neoの引き渡し遅延問題について、今秋までに解消できる見通しを示した。
A320neoは、LCCなどに人気の小型機A320の派生型で、燃費を向上した新型エンジンを搭載。米プラット・アンド・ホイットニー(PW)製GTFエンジン「PW1100G-JM」とCFMインターナショナル製LEAP-1Aの2種類から選択できる。
遅延につながる問題となっているのはPW1100Gで、機体側の不具合ではない。PW1100Gのエンジンスタート時間が計画値より掛かっている点の改善や、油圧系統の動作上限温度温度の引き上げなどの対策を、今秋までに終える。
PW1100Gは、PWと日本航空機エンジン協会(JAEC)、独MTUアエロエンジンズが設立した合弁会社IAE(インターナショナル・エアロ・エンジンズ)が主体となり、2011年から開発を開始。JAECが全体の23%を担当し、IHI(7013)と川崎重工業(7012)、三菱重工航空エンジン(MHIAEL)が参画している。
IHIが担当する部分は全体の約15%で、ファンモジュールや低圧圧縮機の一部などの主要部品の開発や設計、製造、エンジン整備を担当。川崎重工は約6%で、低圧圧縮機部の主要部品の開発や生産、整備を担当している
。三菱重工航空エンジンは2.3%で、燃焼器部位の部品製造や燃焼器モジュールの組み立てを担当する。
A320neoの量産初号機は当初、2015年末にカタール航空(QTR/QR)へ引き渡す予定だった。ところがPW1100Gの問題により、カタール航空が受領を拒否。2016年1月にルフトハンザ ドイツ航空(DLH/LH)への引き渡しが最初となった。現在はルフトハンザとインドのインディゴ(IGO/6E)へ計6機納入済み。
開発が進むA320neoの長胴型A321neoについては、LEAP-1Aを搭載した飛行試験機が今年2月に、PW1100搭載機が3月に初飛行している。
日本の航空会社では、全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(9202)が、A320neoを7機、A321neoを26機発注している。
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Pratt & Whitney
Airbus
エアバス・ジャパン
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