日本航空(JAL/JL、9201)は5月30日、イスラム教徒(ムスリム)向け機内食の製造工程などで、宗教法人日本イスラーム文化センター(JIT)からハラール認証を受けたと発表した。6月1日から、国際線で認証済みの機内食を提供を開始する。
ムスリム向け機内食は、使い捨ての食器で提供する。通常、ビジネスクラスなどでは陶器の食器などで提供している。豚肉やアルコール製品など、ムスリム向けでは「タブー」とされる食材を提供している可能性があるため、食器に直接触れないよう、プラスチック製の器に盛り付ける。
日本発の国際線全線で提供し、希望者は出発の24時間前までにメールか電話で予約する必要がある。
イスラム教では、豚肉や豚肉由来の製品、アルコールの摂取を禁じている。ムスリム用の食品にはこれらを含まずに調理する必要があり、戒律にのっとって調理したものをハラール(許されたもの)という。ハラール食を提供するには、ハラール認証機関から認定される必要がある。
JALは食材のほか、製造工程でもムスリム向けを区別することで、ハラール認証を取得した。JALはこれまでムスリム向け機内食を提供していたが、従来は食材を制限するもので、食器や製造過程などを区別していなかった。
マレーシアやインドネシアなど、ムスリム国家からの訪日客が増加し、国内ではハラール食の導入が進んでいる。JALは空港ラウンジでハラール食を提供し、全日本空輸(ANA/NH)も国際線の機内食に導入。成田や中部(セントレア)などの各空港ではハラール認証レストランや礼拝堂などを設置している。
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日本航空
日本イスラーム文化センター
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