所沢航空発祥記念館(埼玉県)は、日本航空機製造YS-11A型機(元登録番号JA8732)の機内を4月16日に公開した。
機内を公開したのは、西武新宿線航空公園駅前に保存展示している元エアーニッポン(ANK)機。1969年に製造された101号機で、1997年4月13日の大島発東京行きを最後に退役した機体で、総飛行時間は5万2991時間、総飛行回数は5万8253回だった。1997年5月23日に羽田空港から航空自衛隊入間基地へフェリー(回送)され、基地内で解体後、1997年6月1日に現在の場所へ設置された。
同機の機内は普段公開しておらず、地元で開かれるイベントなどと連動して、春と秋に数回公開している。機体は年4回、ANAグループの整備会社が清掃とメインテナンスを実施。ヘッドレストカバーはANKや全日本空輸(ANA/NH)のロゴが入ったものが使用され、現役時代の姿を極力残している。機内の照明は当初、機体のものを使用していたが、漏電などの危険が出てきたことから、LED照明を取り付けた。
16日は公開1時間前の午前9時から、航空会社や自衛隊でYS-11に携わった現役整備士や元パイロットを中心に、14人のボランティアが集まり、記念館の担当者とともに機体後部ドアに設置する見学者用階段の組立などの準備を行った。午前10時になると、近所の親子連れやお年寄りが機内に入り、ボランティアに機体について尋ねていた。
ボランティアのひとりでANAの元機長、中島要一さんはYS-11やボーイング767型機、747-400の操縦桿を握り、国際線を中心に飛んだ。YS-11の教官も務めた中島さんは1年半ほど前から、ボランティアに参加。「この機体、訓練でよく使っていたんですよ」と、機体に書かれた登録番号を見て驚いたという。
「細かい作りが、やっぱり日本の飛行機だなと感じました。ボーイングとは作り方が違いますね」と話す中島さんは、機体の横で来場者の質問に答えていた。
記念館では、次回の機内公開は今秋を予定している。
YS-11は1962年8月30日に初飛行し、182機(うち試作機2機)が製造され、国内では航空会社や運輸省(現国土交通省)航空局(JCAB)、自衛隊、海上保安庁で採用された。国内の旅客定期便からは2006年9月30日に、飛行検査機として運用していたJCABでは2006年12月22日に、海上保安庁では2011年1月13日に運航から退き、現在では航空自衛隊の機体を残すのみとなった。
*写真は33枚(外観→機内の順)。
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