日本航空(JAL/JL、9201)は4月12日、日本ウィルチェアーラグビー連盟とオフィシャルパートナー契約を締結した。2020年に東京で開催されるパラリンピックに向け、海外遠征での航空券提供や預け荷物の優遇など、選手活動を支援していく。
車いす同士ぶつかるラグビー
ウィルチェアーラグビーは車いすに乗って戦うラグビーで、車いす同士のぶつかり合いが認められた唯一のパラリンピック競技。男女混合の競技で、1チームは最大12人で編成し、バスケットボールと同じ広さのコート上には4人が出場する。障がいの程度に応じて各選手に持ち点が設定され、障がいの重い選手も出場できるよう工夫されている。パラリンピックでは、2000年のシドニー大会から公式種目になった。
JALは2005年、日本パラリンピック委員会唯一のオフィシャルエアラインとして、試合をサポートしてきた。JALの大川順子専務は、「障がい者スポーツの機運が高まっている。JALにはラグビー部もあり、親和性が高い」と、ウィルチェアーラグビーの支援に至った理由を説明した。
契約締結会見の会場では、池崎大輔選手がウィルチェアーラグビーをデモンストレーション。JALのラグビー部「JAL WINGS」の髙島尚大選手を相手に激しいタックルを見せ、会場には車が衝突するような大きな音が響き渡った。
池崎選手は、「まだまだ知られていない競技だが、ぜひ見に来て欲しい」とピーアール。「選手だけではなく、衝撃を受けた際にタイヤを交換するスタッフがいないと試合ができない」と、周囲とのチームワークも重要なスポーツだと強調した。
タックルを受けた髙島選手は、「普段のラグビーとまったく違う。目の前に車が迫ってくるような感じで、衝撃もすごい」と驚いていた。
空港での車いす移動について池崎選手は、「こういう場だから言うわけではないが、本当によくしていただいている。荷物の優遇だけではなく、到着した空港でも出口まで荷物を運んでいただくなど、大変助かっている」と、感謝の言葉を述べた。機内食では、「好物の焼肉や寿司、ラーメンが食べたい」とリクエストし、会場の笑いを誘った。
お仕着せにならないサービスを
連盟との契約締結とともに、JALグループ社員による「JALスポーツアンバサダー」が誕生。スポーツ経験のある社員や、障がい者対応に取り組んできた社員11人が選ばれ、東京オリンピック・パラリンピックに向けてスポーツ全般が盛り上がるよう、活動に取り組む。
12日は、パイロットの北川淳一さん(777乗員部)と内山陽平さん(787乗員部)、 客室乗務員の芳賀明子さん(宣伝部運営グループ)と大堀絵美子さん(成田第2客室乗員部)、地上旅客係員の池田紫乃さん(JALスカイ 羽田事業所第1部)、グランドハンドリングの河内里奈さん(JALグランドサービス 東京支店ランプサービス1部)、プライオリティゲストセンターの木村夢香さん(JALナビア)、羽田事務サポートグループの木下絵里さん(JALサンライト)が、契約締結会見に同席した。
宣伝部での地上業務と乗務を兼務している芳賀さんは、「自分たちのお仕着せにならないよう、お客様に寄り添ったサービスを心掛けていきたい」と抱負を語った。
アンバサダーが中心となり、JALグループ社員が障がい者スポーツ競技会場へ足を運び、応援や認知度向上につながる活動に取り組む。また、選手の要望を社内の関係部署に伝え、障がい者向けサービスの向上を図る。
関連リンク
日本ウィルチェアーラグビー連盟
日本航空
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