全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は4月1日、羽田空港の同社機体メンテナンスセンター東京第2格納庫でグループ合同入社式を開催した。2016年度はグループ33社に2501人(男性590人、女性1911人)が入社した。式にはANAHDの片野坂真哉社長のほか、ANAHDの伊東信一郎会長、ANAの篠辺修社長、内薗幸一副社長、河本宏子専務が出席。映画『スター・ウォーズ』に登場する新キャラクター「BB-8」をデザインした特別塗装機「BB-8 ANA JET」(ボーイング777-300ER型機、登録番号JA789A)も列席した。
2501人の新入社員のうち、客室乗務員(CA)は819人。2015年度は1189人が入社し、うち446人がCAだった。ANAは今年度の増員について、国際線の拡充などを要因に挙げている。
片野坂社長は「経営の基盤であり、社会への責務」とあいさつ。1971年の雫石事故や1966年の松山沖事故などを例に挙げ、「安全がすべて。この1点を胸に刻んでほしい」と話した。まずは小さな1歩から始め、自己ベストの発揮と成長に期待していると続け、「頼みます」と期待感を表した。
片野坂社長は、入社2年目で国際線に乗務するCAの事例を紹介。ブリュッセルでのテロ発生時、現地発便に乗務する予定だったCAは、日本に戻れない不安を抱えていた。その後、目的地変更(ダイバート)先だったデュッセルドルフにバスで移動し、臨時便に乗務。機内ではブリュッセルから移動してきた乗客から、感謝の言葉をかけられたという。CAは「お客さまのお役に立てることが“感動”」と話したという。
このエピソードを披露した理由について片野坂社長は、入社2年目でも厳しい事件に遭遇すると話し、「仲間が支えている。安心して職場に入ってほしい」と狙いを説明した。
新入社員を代表して、ANAのグローバルスタッフ(総合)職事務職に配属されるセブラ・エミリーさん(22歳)があいさつ。「片野坂社長のメッセージを受け、身の引き締まる思い」とし「安全こそすべての事業に共通する使命であることを胸に刻み、努力と挑戦を続ける」と話した。
あいさつ終了後、セブラさんは「思いを皆に伝えたかった。とても緊張した」と振り返った。
式典後は新入社員とともに、片野坂、篠辺両社長が地球儀型の風船に寄せ書き。片野坂社長は「志」、篠辺社長は「夢」と記した。
式典ではグループの有志で結成したバンド「ANA Music Service(ANAミュージックサービス)」が演奏。葉加瀬太郎さんの『情熱大陸』や『Another Sky』などを披露し、新入社員を歓迎した。
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