ルフトハンザ・カーゴ(GEC/LH)は3月29日、ボーイング777F貨物機を成田空港へ就航させた。同社が運航する777Fが日本へ乗り入れるのは初めて。
LHカーゴは、フランクフルト-成田間(仁川経由)の貨物便を週6往復運航。従来は旧マクドネル・ダグラス(現ボーイング)MD-11F型機で運航していたが、29日から全便を777Fに変更した。
777Fは旅客機の777-200LRを母体に開発された貨物機で、2005年にローンチ。初号機は2009年2月、ローンチカスタマーのエールフランス航空(AFR/AF)に引き渡された。旅客機の客室にあたるメインデッキの左側後部には、3.7メートル×3.1メートルの大型ドアを設け、貨物の搭降載をしやすくしている。
エンジンは777-200LRと同じ米GE製GE90-110B1を搭載。最大離陸重量は76万6000ポンド(34万7450キログラム)、航続距離は4885海里(9045キロメートル)となっている。
LHカーゴは5機発注し、全機を受領済み。初号機は2013年11月8日に引き渡された。これまでは北大西洋路線やアジアの主要拠点を中心に投入されてきた。同社によると、MD-11よりも20トン多く貨物を運べるという。また、3発機のMD-11と比べ、双発機の777Fは燃料消費量や騒音、二酸化炭素(CO2)排出量の削減に効果がある。
ミヒャエル・シュトルマー日本・韓国支社長は、「従来の機材では、経由地が最低1カ所必要だった。777Fはフランクフルトから成田へノンストップで運航出来る、初めての機材だ」と述べた。一方、仁川経由となる点については、ビジネス上とスロット(発着枠)のためだという。仁川からフランクフルトへは、ノンストップで運航する。
また、LHカーゴは日本-欧州間の航空貨物について、全日本空輸(ANA/NH)と共同事業(JV)を2014年10月の冬ダイヤから展開。シュトルマー支社長は、「日本と欧州は世界でも大きな市場で、6億人の消費者を結んでいる」として、777F導入で戦略的マーケットの一つと位置づける日本での市場拡大を目指す。
29日の初便就航式典では、地元成田の少年サッカーチームに、ルフトハンザがスポンサーを務める独サッカーリーグ「ブンデスリーガ」の「イントラッハト・フランクフルト」のレプリカユニフォームが、シュトルマー支社長からプレゼントされた。ユニフォームは777Fで成田へ運んだものだという。初便の機体は「Hallo Germany」号(登録番号D-ALFE)で、午後4時半すぎに成田へ到着した。
曜日別運航スケジュール
成田発フランクフルト行きLH8387便
(仁川経由、日本発韓国行き貨物は搭載不可)
火土日:成田(21:20)→フランクフルト(翌日06:30)
水:成田(20:55)→フランクフルト(翌日06:40)
木:成田(21:20)→フランクフルト(翌日06:20)
金:成田(21:40)→フランクフルト(翌日06:40)
*写真は15枚。
関連リンク
Lufthansa Cargo
・ANA、ルフトハンザ・カーゴと世界初共同事業 冬ダイヤから(14年9月3日)
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