エアバス, 機体 — 2012年9月10日 15:50 JST

エアバス、環境にやさしい航空機運用の新ビジョン 2050年の航空輸送描く

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 エアバスは2050年の持続可能な航空輸送を描いた「フューチャー バイ エアバス(Future by Airbus)」の新たなビジョン「スマーター スカイズ(Smarter Skies)」をこのほど発表した。同ビジョンでは航空機設計の枠を超え、地上と上空での航空機の運用方法に焦点を当てている。

空港から急角度で上昇し、騒音を抑える2050年の航空輸送を描いたエアバスの新ビジョン「スマーター スカイズ」のイメージイラスト(同社提供)

 エアバスによると、航空交通管理(ATM)の最適化が実現されれば、欧州と米国内でのフライトは平均約13分短縮できることが最近の研究で明らかになった。世界のその他地域でも、フライト時間を短縮できるという。

 年間の飛行回数をおよそ3000万回とすると、年間約900万トンの燃料節減が可能。また、CO2排出量は2800万トン以上削減し、フライト時間を500万時間節約できる。ATMの最適化に加え、新設計の機体や代替燃料、新しいフライト方法を導入することで、環境効率性の大幅な向上がさらに期待できると見ている。

 今回発表した「スマーター スカイズ」は、航空機の運用に関する未来のビジョン。離着陸や地上での排気など、運用のあらゆる段階で時間や燃料、CO2排出量を削減する5つのコンセプトで構成されている。

 離陸時は再生可能なエネルギーで推力を増やして離陸を行い、空港から急角度で上昇。騒音を減らすほか、より短い滑走路で運用できるようになる。また、巡航高度では鳥の編隊飛行のような航法を導入することで抵抗を減らし、燃料消費を抑制できるようになる。

 着陸時は空港へ滑空進入することでエンジンの推力削減などで降下中のCO2排出量や騒音を抑えられる。この進入方法により着陸時の滑走距離を短くでき、着陸後すぐにエンジンを切ることができるようになる。また、再生可能エネルギーを利用したタキシング車両の活用も挙げている。

 持続可能なバイオ燃料に加え、電気や水素、太陽光など可能性のある代替燃料源を使用することで、航空分野の長期的な環境への影響を抑えることも必要不可欠であると、「スマーター スカイズ」では指摘している。

「スマーター スカイズ」は運用のあらゆる段階で時間や燃料、CO2排出量を削減する5つのコンセプトで構成(エアバスの資料から)

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Airbus
エアバス・ジャパン

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