エアバス, エアライン, 機体 — 2016年2月3日 08:10 JST

ANA篠辺社長、北米-アジア接続需要「変更なし」

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 ANAホールディングス(9202)傘下の全日本空輸(ANA/NH)の篠辺修社長は2月2日、北米とアジアの航空各社が日本を経由しない路線を設定することに関連し、ANAのハブ構想について「当面は変更する必要がない」とし、継続する意向を明らかにした。

北米とアジア間の接続需要を重視すると話すANAの篠辺社長=16年2月2日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

ハブ構想「当面変更なし」

 ANAは北米とアジア各国との接続需要を重視している。これまで北米とアジア各国を結ぶ直行便は少なく、多くが日本を経由していた。こうした中、ANAと同じ航空連合・スターアライアンスに加盟するシンガポール航空(SIA/SQ)は超長距離型のエアバスA350-900型機「A350-900ULR(Ultra-Long Range)」を米国直行便への導入を決定。共同事業(JV)を展開するユナイテッド航空(UAL/UA)は、成田-シンガポール線を6月から運休し、サンフランシスコ-シンガポール線を直行便に切り替える。

 日本を「素通り」する各社の路線計画についてANAの篠辺社長は、「昨日今日に始まったわけではない」とし、「利用客の利便性に尽きる。需要とのバランスになる」と述べた。その上で接続需要重視の戦略を当面は変更しないとし、「将来的には様子を見ないといけない」と変更の可能性を示唆した。

バニラエアへの中距離用機材導入を検討するANAHDの片野坂社長=16年2月2日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

バニラエア「中距離の機体主力も」

 ANAHDは2020年度までの中期経営計画で、100%子会社のバニラエア(VNL/JW)で展開するLCC事業について、ANA未就航地やリゾートなど、中距離路線のプレジャー路線や中国本土への乗り入れ、那覇からの国際線の開設などで訪日需要を強化する方針を打ち出している。

 バニラエアは現在、近距離用のA320を導入している。中距離路線用の機材についてANAHDの片野坂真哉社長は「『LCCは単一機種が原則』と言われている。検証が必要だが、現在は構想段階」と、A320以外の機種の導入に含みを持たせた。「アジアのLCC各社は進化している。長い距離を運航し始めている」と他社の動向に注視しつつ、「一時的に2機種になっても、中距離の機体を主力にしていくことも考えられる」とし、将来的な他機種への移行に意欲を見せた。

日米航空交渉「まとまるのを期待」

 2月9日から都内で開催される日米航空交渉について、片野坂社長は「まとまるのを期待している」と話すに留め、ANAの篠辺社長は「羽田と成田を融合できるように強化したい」と述べた。

関連リンク
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