三菱地所(8802)は、沖縄県の下地島空港に旅客ターミナルを整備し、国際線と国内線、プライベートジェットなどを受け入れる事業を県に提案したと12月25日に発表した。2017年1月に着工し、2018年5月の開業を目指す計画。
沖縄県は2021年度までに県への入域観光客数1000万人達成を掲げており、このうち200万人は外国人客を見込んでいる。三菱地所は今年3月、下地島空港と周辺用地を活用する事業の候補事業者として選定された。LCCによる国際線と国内線や、プライベートジェットなどを県とともに誘致する。
また、下地島に隣接する伊良部島から伊良部大橋経由でつながる、宮古島の宮古空港は年間130万人の利用があることから、宮古周辺の活性化を図るという。旅客ターミナル事業のキーコンセプトを「空港から、リゾート、はじまる。」として、利用者や航空会社の視点に立った旅客ターミナル施設を目指すとしている。
一方、地元からは最大の魅力である下地島の自然が破壊されないかなど、過度な開発を懸念する声も上がっている。
旅客ターミナルの敷地面積は約2万7000平方メートルで、2017年1月から2018年4月にかけて新築工事と開業準備を進め、2018年5月の開業を目指す。
沖縄県や国土交通省大阪航空局によると、下地島空港は1979年7月5日に開港。地方管理空港で、滑走路は3000メートル×60メートル(RWY17/35)が1本、スポット(駐機場)は大型機用が5つ、中型機用が1つ、利用時間は午前8時から午後7時30分まで。
島全体が空港用地となっており、国内唯一の民間ジェット機の訓練空港として利用されてきたが、日本航空(JAL/JL、9201)が2011年度まで、全日本空輸(ANA/NH)が2013年度までで撤退している。定期便は、1994年7月22日に日本トランスオーシャン航空(JTA/NU)が那覇-下地島線を運休して以来、乗り入れていない。