香港に次ぐ2都市目の国際線就航地として台北を選んだジェットスター・ジャパン(JJP/GK)。11月27日に成田空港、12月11日に関西空港、12日に中部空港(セントレア)から、3路線を開設した。
一方、同社と言えば出資する豪カンタス・グループや日本航空(JAL/JL、9201)から度重なる増資を受けるなど、厳しい経営状況に目を向けられがちだ。記者は12月9日、日経ビジネスオンラインでの連載「天空万華鏡 [1]」で、「LCCの客は、日本人だけではない 台北深夜便で黒字化目指すジェットスター・ジャパン [2]」と題し、同社の成田-台北線や現状に触れた。
本特集では片岡優会長への単独インタビューを通して、台北3路線の狙いや関空の第2拠点化後の国際線展開、黒字化の見通し、機材計画などを探る。

ジェットスター・ジャパンの片岡会長=15年11月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
—前編の概要—
・名古屋はこれから
・現地の発着枠が取れない
・朝一番の便、誰も乗らなかった
・関西-仙台線や那覇拠点化の可能性
—後編の概要—
・運航・整備で時間費やす
・変化するLCCへの認識
・成田と羽田
・最大の赤字要因
・座席数より航続距離
前編となる今回は、台北3路線や国際線就航時の課題、深夜早朝便に対する利用者の変化、国内線の今後を中心に聞いた。
*後編はこちら [3]。
名古屋はこれから
── 台北路線は他の国内LCCも就航しており、ライバルが多い。ジェットスター・ジャパンの強みは何か。
片岡会長:台北にはジェットスター・グループとして、2010年からジェットスター・アジア航空(JSA/3K)が台北-関西線を運航している。台北では新しいブランドではなく、強みがある。

成田と関空、中部から台北路線を開設したジェットスター・ジャパン=11月27日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
日本のマーケットでは、成田と関空、中部から就航している唯一のLCCだ。これまで三大都市で行ってきた営業やマーケティング、ブランディングなどが、そのまま国際線にも使える。
我々が実施したいろいろな調査でも、他社よりも低価格運賃が評価されている。ジェットスター=料金的なメリットがあるというイメージを持っていただいている。最低価格保証やプライスウォッチ、(金曜に開催する)ラッキーフライデーセールと、国際線でも毎日安い料金を提供できるのが一番の強みだ。
── 台北路線の予約状況は。
片岡会長:成田と関空は6割が台湾人、35%が日本人、5%がその他の国。名古屋はちょっと特異で、