エアライン, ボーイング, 官公庁, 機体 — 2012年8月16日 15:21 JST

日本貿易保険、787の輸出支援を再保険で エチオピア航空向け

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 独立行政法人日本貿易保険(NEXI)は8月16日、米国の輸出信用機関である米国輸出入銀行(EXIM)との再保険協定に基づき、エチオピア航空(ETH)が導入するボーイング787-8型機10機の輸出支援を共同で行うと発表した。

エチオピア航空が14日に受領した787の初号機=12年8月 PHOTO: Patrick Rodwell/Boeing

 ETHは総額11億ドル(約875億円)で10機の787を導入する。融資は米国の金融機関が行い、経済協力開発機構(OECD)がルールで認める総額の85%にあたる9億ドル強をEXIMが保証。一定割合についてNEXIが再保険をかける。

 NEXIは2004年から今回と同様の形でボーイング767型機や777型機の輸出支援を実施。これまでに130機、機体価格で約1兆円分を手がけているが、787の輸出支援は今回が初めて。

 7月末時点で787は859機の受注を得ているが、納入は全日本空輸(ANA)へ11機、日本航空(JAL)へ4機の計15機に留まり、14日に行われたETH向け初号機の納入が日系2社以外では初。ETHは787を受領した3社目の航空会社となった。

 787の機体開発や製造には多くの日本企業が参加しており、三菱重工業や川崎重工業、富士重工業などが主翼や前部胴体、中央翼などを担当。生産分担の割合は機体構造部分の約35%に上る。また、東レが炭素繊維複合材料、ジャムコがギャレー(厨房設備)やラバトリー(化粧室)などを手掛けるほか、ブリヂストンやナブテスコをはじめ日本企業が幅広く関わっている。

 NEXIでは、ETHの航空機購入支援を通じて、航空機が主要な移動手段であるアフリカ全体の経済発展を支援するほか、航空機の輸出支援が日本の航空機産業発展の支えにつながるとしている。今後も途上国や新興国への航空機の輸出支援を行っていくという。

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