スカイマーク(SKY/BC)の元役員が、2014年7月に同社がエアバスからA380型機の契約解除通告を受けたことを公表前に保有する自社株を売却し、損失を免れるインサイダー取引をしたとして、証券取引等監視委員会は10月9日、238万円の課徴金を科すよう金融庁に勧告した。
A380の導入を巡っては、スカイマークは2011年2月17日付でエアバスと売買契約を締結。スカイマークはその後、業績悪化を受けて導入延期などを働きかけたが、2014年7月25日付でエアバスから契約解除を通告され、29日に西久保愼一元社長が会見した。
勧告された元役員の50代男性は、この事実が公表される前の同年7月16日から17日にかけて、保有するスカイマーク株1万8600株を522万6600円で売り抜けていた。同社株の単元株式数は100株で、終値は16日と17日が1株281円、29日は250円だった。
元役員は2012年6月の株主総会で取締役に就任し、2014年6月に任期満了で退任している。スカイマークは10月9日、「退任後の行為とは言え、このような事態に至ったことは誠に遺憾。深くお詫びする。全役員・従業員のコンプライアンス教育を充実する」とのコメントを発表した。
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