空港整備を目的に、国が国内の航空会社に課している航空機燃料税(航燃税)について、日本航空(JAL/JL、9201)の乘田俊明専務は9月30日、都内で開いた記者会見で現在の軽減措置の継続を求める意向を示した。Aviation Wireの質問に応じた。
航空機燃料税が導入されたのは1972年。空港整備や騒音対策の財源確保を目的に設けられ、国内の航空会社が国に納めている。
東日本大震災が起きた2011年度から3年間は、航空機燃料1キロリットルあたり2万6000円だったものを、約30%引き下げて1万8000円とした。2014年度から2016年度も引き下げを継続している。
しかし、燃油安などにより航空会社の業績が好調なことから、財務省は財源確保のため、引き下げ措置を終える構えを見せている。2016年度が軽減措置の最終年度であることから、航燃税の軽減や撤廃が実現するかで、2017年度以降の国内航空会社の経営を左右しかねない状況だ。
一方、訪日外国人の増加に伴い、海外の航空会社による新路線開設や増便の動きが加速。国内航空会社の競争環境は、以前にも増して激化している。
JALをはじめ全日本空輸(ANA/NH)など国内航空各社は、業界団体である定期航空協会を通じて、国に軽減措置の延長や撤廃を求めている。
乘田専務は、「世界に類をみない税のひとつ。グローバルな競争となっており、日本企業の体力がそがれる」として、航燃税の大幅な軽減を求めた。
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