ボーイングは現地時間9月23日、中国のリース会社から最大300機の民間機を受注することで合意したと発表した。習近平国家主席が米ワシントン州エバレットの工場を訪れて発表されたもので、中国の航空会社への737の引き渡し施設を中国国内に建設することや、バイオ燃料の研究を進めることなどについて合意した。
機材については、中国民用航空局(CAAC)の持株会社CAS(中国航空器材集団公司)と、コミットメントを含む最大300機を受注する契約を締結。内訳は中国の航空会社向けの737が190機、ワイドボディー機が50機、リース会社ICBCとCDB向けの737が60機となる。
737を中国の航空会社へ引き渡すデリバリーセンターでは、内装の仕上げや塗装、引き渡しを担当。ボーイングでは、現在737を製造するワシントン州の雇用を削減するものではないとしており、最終組立は今後も米国内で実施する。同センターはCOMAC(中国商用飛機有限責任公司)との共同事業で、建設地や開設時期の協議を今後進めていく。
中国航空工業集団公司(AVIC)とは、ボーイングの民間機に関して長期的なコラボレーションを拡大。サプライチェーン管理をはじめ、パートナーシップを強化する。また、中国政府とは二酸化炭素排出量を削減するバイオ燃料の研究について、中国の農業廃棄物を活用する方針を打ち出した。
習主席は、エバレット工場内の747-8や777、787の最終組立ラインなどを見学した。
中国国内には、エアバスが2008年にA320ファミリーの最終組立工場を天津に開設。エアバスの最終組立工場としては仏トゥールーズ、独ハンブルクに続く3カ所目で、欧州以外では初の最終組立工場として、中国の航空会社向けの機体を製造している。
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Boeing
ボーイング・ジャパン
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