この夏も各地で被害をもたらした台風。航空会社にも影響が及び、欠航や遅延が相次いだ。一方、国内航空会社の定時運航率は、世界でもトップクラス。しかし、運航する現場では機材トラブルへの対応など、乗客には見えないところで“平常通りの運航”を支えている人たちがいる。
こうした縁の下の力持ちの中でも、欠航をはじめ運航に対する判断を下していくのが、「オペレーションディレクター(OD)」の仕事。運航や整備をはじめ、さまざまな部署のベテランが抜擢されるこのポジションに、全日本空輸(ANA/NH)では今春、初の女性ODが誕生した。オペレーションマネジメントセンター(OMC)の黒澤清美オペレーションディレクターだ。
黒澤さんは、ANAに空港旅客係員(グランドスタッフ)として入社。羽田空港で勤務後、オペレーション部門でダイヤ統制などに携わった。その後、旅客係員として空港に戻るが、2006年からは再びオペレーションの現場へ。今では各社が運営している、ツイッター(Twitter)による運航情報をANAで始めたのが、黒澤さんだ。
—記事の概要—
・運航情報をTwitterで拡散
・課題は自ら解決
・8割材料が揃えば決断
ANAでは国際線と国内線合わせて、1日に約1000便が飛んでいる。これらを羽田空港内にあるOMCで、ODが統括している。遅延や欠航が発生すれば、真っ先に矢面に立たされるのが、空港で乗客の対応をする旅客係員たち。旅客係員出身の黒澤さんにとって、ODという仕事はどのようなものなのだろうか。
運航情報をTwitterで拡散
「お客様と直接接した経験は大きいですよ」。黒澤さんは旅客係員として現場に立っていたことを、こう話す。航空会社の社員も、全員が利用者と接したことがあるわけではない。しかし、ひとたび運航に支障が出れば、いち早く正確に利用者へ伝えなければならない。
今ではウェブサイトでも運航情報を確認できるようになったが、30年以上前は空港に着くまでに、利用者が運航情報を把握する手段は限られていた。
黒澤さんがTwitterの活用を考えたのも、旅客係員としての経験からだった。「お客様がどういうタイミングで何を知りたいのか。イレギュラーが起きたら、お客様が
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