全日本空輸(ANA/NH)は6月25日、イスラム教徒(ムスリム)向けの機内食を充実させると発表した。ハラールのチキンカレーや、ノンアルコールのスパークリングワインなどを提供する。
チキンカレーは、ハラールの機内食で世界最大手のブラヒム・ホールディングス社(マレーシア・クアラルンプール)と、ANAグループで機内食を手掛けるANAケータリングサービス(ANAC)が共同開発。日本のカレーを、ハラールの調理方法や食材で再現した。7月1日から日本-欧州、シンガポール線の往復と、日本発北米行きのファーストで、9月1日から日本-ジャカルタ、クアラルンプール線往復のビジネスで提供する。
クアラルンプール発成田行き路線の朝食は、ブラヒムのハラール食を用意。特別食ではなく、通常メニューとして提供し、和食と洋食を用意する。ビジネスの洋食はローストチキンとチーズのパニーニ、エコノミーではトマトオムレツ チキンソーセージ添えを提供。和食は両クラスとも鶏粥を用意する。9月2日から。
ノンアルコールのスパークリングワインは、「1688 グランロゼ」を用意。シャンパンのような味わいで、1688年にフランスの司教が残したレシピを復元した。ファーストでは国際線全路線の往復で提供する。ビジネスでは成田-クアラルンプール線の往復で、数量限定で提供する。どちらも9月1日から。
成田-クアラルンプール線のビジネスとエコノミーでは、日本茶として初めてハラール認証を受けた、静岡県「駿府 葵堂(すんぷ・あおいどう)」の有機栽培緑茶を提供する。9月1日から。
ハラール認証を受けた「あられ」の提供を、今年6月から国際線全路線の全クラスに拡大する。2014年3月から、成田-ジャカルタ線など4路線で提供を開始した王様製菓(東京・台東区)の「東京あられ」で、醤油で甘めに味付けた。
イスラム教では、豚肉や豚肉由来の製品、アルコールの摂取を禁じている。ムスリム用の食品にはこれらを含まずに調理する必要があり、戒律にのっとって調理したものをハラール(許されたもの)という。
成田-クアラルンプール線は9月1日、1日1往復で運航を開始。2001年12月までバンコク経由で運航していたが、13年ぶりに再開する。
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全日本空輸
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