MRJ, 機体 — 2015年6月10日 17:30 JST

MRJ、欧州市場強化へ 複数社から引き合いも

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 三菱航空機の森本浩通社長は6月9日、開発中のリージョナルジェット機「MRJ」について、欧州でのセールスを強化すると述べた。国内では、フジドリームエアラインズ(FDA/JH)が導入を検討していることを明らかにした。

「欧州で実績を早く作りたい」と話す森本社長=6月9日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 欧州市場について森本社長は「リージョナル機にふさわしい市場。これまで50席や100席の需要が大きかった。MRJは70-90席で、中間層を狙える。かつ経済性や環境性などにすぐれている特長をアピールしたい」とした。また、「全世界へ飛べるようにしたい、という意味では、欧州で実績を早く作りたい」とし、重点市場のひとつであるとの認識を示した。

 顧客については「機体を置き換える顧客ではなく、70-90席での路線開設を検討している顧客に最適」とし、MRJに合った顧客を開拓する考えを示し、欧州の複数社から引き合いがあることも明らかにした。

 そのほかの市場については「米国が最大の市場、というのは変わりない。日本からは全日本空輸(ANA/NH)と日本航空(JAL/JL、9201)から受注し、(ミャンマーの)エア・マンダレイ(LMT/6T)からも受注している。北米、アジア、欧州、どれも大切。中東、アフリカ、中南米も魅力的な市場」とし、川井前社長の路線を踏襲するとした。

 森本社長によると、FDAが2020年までに新規で12機から18機を導入。エンブラエルE2シリーズ(70席から130席クラス)かMRJかを検討しているという。県営名古屋空港(小牧)はFDAが拠点とし、三菱航空機が本社を設置している。「歩いて5分でパーツを届けられるFDAに、MRJを導入してもらわないと格好がつかない」としながらも、交渉では好感触を得たと述べた。

 パリ航空ショーでは「開発が順調に進んでいることをアピールしたい」とし、エンジン試運転や走行試験の様子を動画で紹介して、需要拡大につなげたい考えを示した。シートや内装が最終形に近いモックアップを展示。操縦系統にフライ・バイ・ワイヤ(FBW)を採用した操縦室の模型も出展し、計器類が動く様子を15インチモニター4枚で再現する。

 今年9-10月に予定している初飛行について、森本社長は「必ず飛ばす」と明言。「航空ファンなどの関心の強さを日々感じている。裏切らないようにしたい」と述べた。

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