エアバスが世界中の大学生を対象に、未来の航空輸送を描く斬新なアイデアを募集するコンテスト「Fly Your Ideas」の決勝戦が、独ハンブルクで5月27日に開かれた。最優秀賞には、オランダのデルフト工科大学「MULTIFUN」チームが選ばれ、日本勢として初の決勝進出を果たした、東京大学の「Birdport(バードポート)」チームの入賞はならなかった。
MULTIFUNチームは全員インド人で、オランダとインド、英国、米国の大学に在籍する学生で構成。ハンブルクで初めて全員が顔を合わせ、最終ラウンドに臨んだという。同チームのアイデアは、翼の振動から複合材の外板パネルでエネルギーを取り入れ、蓄積したエネルギーを機内の機器などで使う電力として活用するというもの。
2位に選ばれたのは、ブラジルのサン・パウロ大学「RETROLLEY」チーム。特製ワゴンを利用して機内のごみを削減し、フライト後のごみ収集と分別にかかる時間を短縮するアイディアを発表した。
東大チームはバードストライクを減らすため、空港周辺に「バードポート(人口営巣地)」の設置を提案。ドローン(無人機)を使い、鳥を人口営巣地へ誘導することで、航空機のバードストライクを大幅に低減させるアイデアを披露した。
同コンテストは、世界中の大学生を対象に開催。若者たちの想像力を伸ばし、航空輸送の常識を打ち破るアイデアの創出が狙い。2年おきに開催しており、今回で4回目。最優秀チームには賞金3万ユーロ(約393万円)が、2位のチームには1万5000ユーロが贈呈された。
関連リンク
Fly Your Ideas(Airbus)
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