エア・カナダ ルージュ(ROU/RV)は5月2日、関西-バンクーバー線を直行便で開設した。週4往復でスタートし、6月からは週5往復で運航する。10月下旬までの夏ダイヤ期間中の運航を予定している。
6年7カ月ぶりの再開
ROUはエア・カナダ(ACA/AC)が2013年7月に運航を始めた、観光路線を主体とする航空会社。かつて関西-バンクーバー線はACAが運航していたが2008年10月に運休し、6年7カ月ぶりの再開となった。ROUがアジアへ就航するのは初めて。
機材はボーイング767-300ER型機で、座席数はプレミアムクラス「プレミアム・ルージュ」が24席、エコノミークラス「ルージュ」が256席の計280席。プレミアムの座席配列は2-2-2、エコノミーは2-3-2となっている。
関西空港発のAC1952便は、月曜と火曜、水曜、木曜、土曜に運航。午後4時25分に出発し、バンクーバーには午前10時に到着する。バンクーバー発のAC1951便は、月曜と火曜、水曜、金曜、日曜に運航する。午後0時5分に出発し、関空には翌日午後2時55分に到着する。
関空着初便は、定刻より2分早い午後2時53分に到着。折り返しの関空発初便は、乗客262人を乗せ、定刻より33分遅れの午後4時58分に出発した。機材は登録番号C-GHLQが使用された。関空出発時は搭乗手続きに時間がかかったことや、出発後トーイングカー(牽引車)を切り離した後に機体点検を行ったことで遅れた。
機内エンタメはストリーミング
ROUはトロントやモントリールなどから、スペインのバルセロナやメキシコのカンクンといった欧州や米国、カリブ海諸国などの都市へ就航。羽田や成田に就航しているACAが、ビジネス需要がある路線を運航しているのに対し、おもに観光地へ乗り入れている。
各席に機内エンターテインメントシステム(IFE)は設けず、機内でストリーミング配信される動画や音楽を、ノートパソコンやスマートフォン、タブレット端末などに事前にインストールした専用アプリケーションで再生して楽しむ。
客室乗務員は男女とも帽子をかぶり、パンツルックの制服を着用。米カリフォルニアのディズニーランドで接客の研修を受けているという。
当面は夏ダイヤ運航
ACAのワイス貴代日本支社長は、関西-バンクーバー線の目標とするロードファクター(座席利用率)について、「常に80%以上を狙いたい」と述べた。また、ACA本体の関空就航の可能性については、「今のところ考えていない。アジア初のルージュ就航を成功させ、定着させたい。これまでルージュはカナダから観光地へ就航していたが、今回は日本からの観光地であるバンクーバーへの就航となり、逆のケースになる」と語った。
今後のROUの日本やアジアへの就航については、「名古屋や福岡などを検討してはいるが、長期的なものだ」として、当面は関空便を定着させることに注力する意向を示した。
関西-バンクーバー線は、現在のところ夏ダイヤ期間中に週5往復運航する。ワイス支社長は「デイリー化や冬ダイヤの運航も、状況を見て検討したい」と述べる一方、「カナダの冬は良いが、まだ日本で浸透していない」と、夏ダイヤのみでスタートした理由を説明した。同路線については、「旅行代理店とともに、パッケージツアーを販売していきたい」と語った。
運航スケジュール
AC1951 バンクーバー(12:55)→関西(翌日14:55)運航日:月火水金日
AC1952 関西(16:25)→バンクーバー(10:00)運航日:月火水木土
* AC1951の月曜発は6月1日から、AC1952の火曜発は6月2日から運航。
*写真は計14枚(ログインするとすべてご覧いただけます)。
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