成田国際空港会社(NAA)の夏目誠社長は4月30日、2015年3月期通期決算について、テナントを含めた商業施設の売上高が前期を14.9%上回る970億円前後になるとの見通しを示した。
夏目社長は「リテール部門の努力以上に、中華圏からの訪日客による“爆買い”が功を奏した」と分析。2016年3月期については、「1000億円の大台を超える目標が持てるのではないか」と語った。
一方で、着陸料など航空系収入については、LCCの乗り入れ増加など「機材の小型化が急テンポで進んでいる」と述べた。成田空港の2014年度の総発着回数は前期比1%増の22万8220回で、内訳は国際線が前年並みの17万7627回、国内線が5%増の5万593回となっている。
発着回数は若干増えたものの、機材が小さい国内線の増加であったことから、「着陸料収入は減収になるだろう」と語った。
「非航空系で稼いで補う傾向が当分続くのではないか。構造的にリテール部門に力を入れていかなければならない」と述べ、免税店や飲食店など商業施設の売上増を図る考えを示した。
NAAは2014年4-9月期(中間期)連結決算で、開港以来初めてリテール事業など非航空系売上が、着陸料など航空系を上回った。2015年3月期通期決算は、5月15日に発表する予定。
関連リンク
成田国際空港
・成田空港、非航空系収入が半数超え 14年4-9月期、リテール牽引で航空系初めて上回る(14年11月15日)
・成田空港、15年3月期は減収減益へ 大型機減便で旅客数減少(14年5月10日)