環境にやさしい航空機とストレスの少ない空の旅──。エアバスが2年間に世界中の175万人以上に未来の空の旅に期待するものについて尋ねた結果、こうした結果が明らかになった。また、Facebookなどのソーシャルメディアが発達しても、人と人とがつながり合う手段として旅の重要性も挙げられた。
調査によると、世界中の96%の人々が持続可能で環境効率に優れた航空機が必要と回答。63%の人は2050年にはより多い頻度で空の旅をすると回答し、60%の人はソーシャルメディアが発達しても、人と人が直接顔を合わせて交流する必要性がなくなることはないと答えた。また、40%近い人が出発地から目的地までを含めた空の旅から受けるストレスが増えていると回答している。
エアバスのシャルル・シャンピオン技術担当上席副社長は、「航空産業は現実のWorld Wide Web(ワールド・ワイド・ウェブ)だ」と述べ、「調査結果は、人と人とが直接会って交流することほど重要なことはない、ということを明らかにしている。世界はクモの巣のように張り巡らされた航空路線ネットワークでつながり合っており、それにより社会的、経済的ネットワークが拡大する。航空産業は5700万人の雇用と世界貿易の35%、世界のGDPの2兆2000万ドルに貢献している」と語った。
シャンピオン氏は、「未来の航空輸送を描いた我々のビジョン『the Future by Airbus』のローンチ以来、世界192カ国の人々と未来の空の旅について話し合ってきた。その結果生まれたのが、乗客の高まる要望と環境への配慮を満たす未来の革新技術を詰め込んだエアバスのコンセプト・プレーンとコンセプト・キャビンだ。人々が持続可能な未来の空の旅を期待していることは明らかであり、これを実現するため我々は共に協力して取り組んでいくことを願っている」と述べた。
また、人々が多頻度で空の旅をすればするほど、出発から到着までの旅の中身への要望も高まってくると指摘。エアバスの調査では、不満要素のうち予測できるものとして、入国審査での列、チェックインカウンターや手荷物受取所での待ち時間、誘導路や空港上空での待機時間が挙げられた。
「ロンドンでは空港での航空機の行列が懸念材料と考えられており、人々は当然不満に思っている。しかし、今後15年で航空輸送が倍増すると予測される中、遅延を解消するために産業界が協力しない限り、こういった空港のキャパシティーの制限による弊害が起こりうる。そして、これこそ我々が取り組み続けている課題である」と語った。
エアバスは研究開発費20億ユーロのうち90%以上を航空機の環境性能を向上させるために充てている。最新のA380や新型エンジンを搭載するA320neo、開発中の次世代A350 XWBは燃費を向上させている。