イチオシ機材で初日の出フライト　ANAは787-9、JALはスカイネクスト

　1月1日、航空各社は各地でチャーター便による初日の出フライトを実施した。全日本空輸（ANA/NH）と日本航空（JAL/JL、9201）は、羽田発着便に新年イチオシの国内線用機材を投入した。

ANAの787-9から見た初日の出＝1月1日 PHOTO: Youichi KOKUBO/Aviation Wire

ANAは787-9と新制服

　2001年に始まったANAの初日の出フライトは、今年で15年目を迎えた。昨年は同年3月の退役を控えた「ジャンボ機」の愛称で親しまれてきたボーイング747-400型機で実施したが、今年は昨年8月に就航した787-9の初号機（登録番号JA830A）を使用。客室乗務員と空港係員は、2月1日から導入される新制服を着用し、乗客を出迎えた。

　787-9による初日の出フライトのNH2005便は、乗客269人（幼児2人含む）と運航乗務員2人、客室乗務員10人が搭乗し、羽田空港を午前5時29分に出発。岐阜県中津川市の1万8000フィート（約5486メートル）上空を旋回して初日の出を鑑賞し、羽田には午前8時8分に戻った。

　ANAの787の発注機数は80機で世界最多。このうち787-8が36機、787-9が44機と、787-9が半分以上を占める。現在、国内線仕様機（395席：プレミアムクラス18席、普通席377席）が2機就航しており、3月末までに国際線仕様機が1機引き渡される。

＊ANA初日の出フライトの写真特集はこちら。

JALは本革スカイネクスト

　7年目の初日の出フライトとなったJALは、本革シートを採用した国内線新仕様機「JAL SKY NEXT（JALスカイネクスト）」のボーイング767-300型機（登録番号JA8988）を投入。昨年と同じ機体だが、新仕様に生まれ変わっての登板となった。

　便名は「2015年1月1日」から、JL1511便と名付けらた。乗客258人と運航乗務員2人、客室乗務員7人を乗せ、羽田空港を午前5時45分に出発。操縦は宮寿浩機長と堀口正尊副操縦士が担当した。また、植木義晴社長と2014年度ミス日本グランプリの沼田萌香さん、ミス日本着物の尾崎優子さんも搭乗した。

　同便は初日の出と初富士山の鑑賞ポイントとなる、中央アルプス付近の富士山北西側周辺を旋回。午前7時45分に羽田へ戻った。富士山山頂付近の初日の出時刻は午前6時42分だが、雲が多かった。乗客の30代男性は、「初日の出の時刻になっても、なかなか見えなかった」と残念がった。

　機内では、機内インターネット接続サービス「スカイWi-Fi」が無償提供された。前出の男性客は、「なかなか初日の出が見えず、写真を撮るのでいっぱいいっぱい。Facebook（フェイスブック）などのSNSまで、気が回らなかった」という。

　初日の出の鑑賞後は、JALパックの海外旅行券5万円分や国内旅行券3万円分、東京ディズニーリゾートの「ワンデーパスポート」などが当たる抽選会が開かれた。

　羽田へ戻った植木社長は、今年の抱負として「なによりも安全が第一」と述べた。「毎日1000便以上飛んでおり、パイロットの時は自分でなんとかできることもあったが、今は後輩たち（の操縦）を信じるしかない」と話し、全社で安全に取り組んでいくと語った。

　また、羽田空港第1ターミナルの展望デッキからは、国際線ターミナルの後ろに冠雪した富士山が見えた。強い北西の風が吹く中、航空ファンたちが富士山をバックに飛行機の写真を撮っていた。

乗客から撮影を依頼されデジカメを手にする新制服を着用したANAの客室乗務員＝1月1日 PHOTO: Youichi KOKUBO/Aviation Wire

羽田へ着陸するNH2005便。国際線ターミナル背後には富士山が見える＝1月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田へ着陸するJL1511便＝1月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関連リンク
全日本空輸
JAL SKY NEXT

初日の出フライト関連記事
・新制服CAが787-9でお出迎え　写真特集・15年目のANA初日の出フライト（15年1月2日）
・ANA、747で初日の出フライト「今日からは“今年3月退役”」（14年1月1日）
・JAL、6年目の初日の出フライト　「植木さん、2回目ですね」リピーターも（14年1月1日）

ANA 787-9関連記事
・787-9が世界初就航　ANA篠辺社長「お肌にやさしい飛行機」（14年8月7日）
・ANAの次世代主力機、まもなく就航　写真特集・787-9国内線仕様機（14年8月5日）
・ANA、787-9世界初の旅客飛行　ケネディ駐日大使「日米連携のシンボル」（14年8月4日）
・ANA、787-9羽田到着　座席数と貨物量1.2倍に（14年7月30日）

JAL スカイネクスト関連記事
・手もとを照らして粛々と　写真特集・JALスカイネクストができるまで（14年6月5日）
・黒と赤のコントラストが印象的　写真特集・全クラス本革のJALスカイネクスト（14年5月28日）
・JAL、本革シートの国内線新仕様機　あすから福岡線就航（14年5月27日）