羽田空港で2012年3月31日に発生した日本航空(JAL/JL、9201)の上海発羽田行きJL082便(ボーイング777-200ER型機、登録番号JA701J)がA滑走路(34L)に尻もちをついた事故で、国土交通省の運輸安全委員会(JTSB)は2014年12月18日、報告書を公表した。機体が接地後、機首を大きく上げた状態で滑走し続けたことで、機体後部が滑走路に接触し、損傷したと推定している。
また、着陸時に操縦を担当していた副操縦士が、減速するためにリバーススラスト・レバー(逆推力装置レバー)を操作してエンジンを逆噴射する一方、機長はゴーアラウンド(着陸復行)を決断しており、副操縦士から操縦を引き継ぐ「テイクオーバー」の宣言がなかったことも明らかになった。
両者の意思疎通が欠けたことで、計器による機体の姿勢監視が一時的に不十分になり、機体が滑走路をこする「テールストライク」につながったとみられる。
計器監視が不十分
JL082便の機体は、後部胴体の外板が損傷し圧力隔壁下部が変形するなど、機体の損傷が大きかったことから国交省が航空事故と認定。乗員12人乗客296人の計308人にけがはなく、火災も発生しなかった。
同機は定刻より7分早い午後0時43分に上海の虹橋空港を乗員12人乗客296人の計308人を乗せ出発。羽田空港には午後4時40分に到着予定だった。午後4時8分ごろに羽田空港に進入後、ゴーアラウンドを実施した際に機体後部胴体を滑走路面に約8秒間接触させた。ゴーアラウンド後、羽田には午後4時35分に着陸した。
着陸時に右席で操縦を担当していた副操縦士は、滑走路へ接地する直前に機首を起こす「フレア」を開始したころから、機長に操縦を補助されていた。
機長は接地後、機体がバウンドして浮いていると認識。一方、副操縦士は
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