成田国際空港会社(NAA)は12月11日、第2ターミナルのカレー店をハラール認証を受けたレストランとしてリニューアルすると発表した。18日に再オープンし、増加が見込まれるムスリム(イスラム教徒)観光客の受入体制を強化する。
リニューアルオープンするのは、本館4階の「ラ・トック」。和の食材を使用した、日本風のカレーやサラダを提供する。リニューアル前に提供していたオムライスは、デミグラスソースにアルコールや豚肉由来の成分が含まれているため、後日の提供再開を目指す。ハラール認証は日本ハラール協会。
レストランを運営するのはレストラン運営や機内食を製造するティエフケー(TFK、成田市)。機内食製造キッチンで10月にハラール認証を受けたノウハウを、レストランにも生かすという。TFKはハラールの機内食をマレーシア航空(MAS/MH)とエティハド航空(ETD/EY)に提供している。
ハラールキッチンの認証を受けるのは、成田空港内のレストランとしては第1旅客ターミナル中央ビル5階の「杵屋麦丸」と、第2旅客ターミナル本館4階の「あげたての味 天亭」に続き3店舗目となる。
関西空港では2013年8月、イスラム教徒向けの祈祷(きとう)室を増設。同時にハラール料理の提供を開始した。中部空港(セントレア)でも今年3月、成田空港でも今年6月から開始。各空港や航空会社では、ムスリムの受入環境を充実させている。
イスラム教では、豚肉や豚肉由来の製品、アルコールの摂取を禁じている。ムスリム用の食品にはこれらを含まずに調理する必要があり、戒律にのっとって調理したものをハラール(許されたもの)という。
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