西アフリカのリベリアに滞在し、ロンドン発の全日本空輸(ANA/NH)NH278便(ボーイング777-300ER、登録番号JA786A)で10月27日午後、羽田空港に到着したエボラ出血熱の疑いがある乗客は、検査の結果陰性反応だった。ANAによると、同便の乗員16人に体調不良を訴えている人はおらず、機体も検疫当局による消毒後、運航に復帰しているという。
NH278便は26日午後6時59分にロンドンを出発し、定刻より18分早い27日午後3時37分に羽田へ到着。乗客190人(うち乳幼児1人)とパイロット3人、客室乗務員13人の計206人が乗っていた。
エボラ出血熱の疑いのあった乗客はカナダ国籍の40代男性。到着後の検疫検査で発熱症状があったため、新宿区の国立国際医療研究センターに搬送された。
NH278便の機体は運航後に検疫当局が機内を消毒し、承諾を得て28日の羽田発フランクフルト行きNH223便から運航に復帰した。
また、政府は28日、閣僚会議でエボラ出血熱については内閣官房が一義的に対応することを決定。各省庁による対策会議を設置した。空港を監督する国土交通省航空局(JCAB)では、エボラ出血熱に関して8月12日から機内アナウンスやポスター掲示を国内航空会社と日本に乗り入れる航空会社に依頼。空港では検疫時に必要なスペースが確保できるようにしている。
JCABでは当初、男性が乗っていた便名の公表を控えていた。今後は公表可能な内容などを関係省庁と協議し、対応を改善したいとしている。