FAA(米国連邦航空局)は現地時間10月1日に発行した耐空性改善命令(Airworthiness Directives、AD)で、航空各社に対し、操縦室のディスプレーの交換を命じた。Wi-Fiの影響でディスプレーが消える恐れがあるためで、米国内の1326機が対象となる。現時点で、飛行中にトラブルが発生した報告はない。
対象となる機体はボーイング737シリーズ(737-600、737-700、737-700C、737-800、737-900、737-900ER)1149機と777シリーズ(777-200、777-200LR、777-300、777-300ER、777F)177機。問題のディスプレーは、米ハネウェル製の「フェーズ3ディスプレー・ユニット(Phase 3 display units)」で、5年以内の交換が必要となる。
ディスプレーは1台1万200ドル(約111万円)。交換に必要な経費は人件費を含め、737全体で1191万5130ドル、777で185万535ドル。
AFP通信によると、ハネウェルでは飛行中にWi-Fiの影響で不具合を起こしたことはないとしており、地上での開発試験時に一度発生したという。
国土交通省航空局(JCAB)ではFAAのAD発効を受け、耐空性改善通報(TCD)の発行に取りかかっている。3日現在、発行日は確定していないという。
日本航空(JAL/JL、9201)によると、「現在ADを読み込んでいる段階」として、TCDが発効した段階で作業に取りかかる。機内でのWi-Fi利用についても、ADの内容を確認して判断するという。
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Honeywell
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【お知らせ】
5段落目と6段落目を追記しました。(2014年10月3日 13:16 JST)
777の対象機種を追記しました。(2014年10月3日 12:27 JST)