エアライン, 官公庁, 解説・コラム — 2014年8月9日 13:10 JST

機内での電子機器使用、9月からこう変わる

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 スマートフォンやデジタルカメラなど電子機器の機内での使用制限が、9月1日から一部緩和される。しかし、航空機の種類や電子機器により制限が異なる。どの機器が、どの状態の時に使えるかが気になるところだ。

機体により機器使用のルールが異なる

機内モードで常時使用可能になるスマートフォン。通話は禁止だ=14年1月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 国土交通省航空局(JCAB)は、機体により機器使用の可否を区分。通信に必要な電波への耐性と、微弱な不要電波への耐性で区分し、どちらも耐性があるものを「タイプ1」、後者のみ耐性があるものを「タイプ2」、前者のみ耐性があるものを「タイプ3」、どちらも耐性がないものを「タイプ4」とした。

 タイプ1に区分されるのはボーイング787型機、777、767-300(機内Wi-Fi装着機、またはJCABの電波耐性の確認が取れた機体)、737-800、エアバスA380型機、A320、ボンバルディアCRJ200型機、DHC-8-Q400、エンブラエル170型機など。機齢の若い機体はおおむねこのタイプに属する。

 タイプ2には767-300(Wi-Fi未装着機、または電波耐性の確認が取れていない機体)、737-500、737-400、DHC-8-Q300、DHC-8-Q100、サーブ340B型機などを区分した。退役が近づく機種や一部地方路線で運航されている機種が該当している。

 タイプ3と4は、一部のヘリコプターなどを区分した。今回はタイプ1と2を見ていこう。

デジカメはいつ使える? スマートフォンは?

 タイプ1と2の場合、デジカメやオーディオプレーヤーなど、電波を発しない機器に関しては、搭乗から降機まで使えるようになる。スマートフォンやタブレットは電話回線から遮断する「機内モード」に設定すれば、常時使用可能だ。

 タイプ1は、ブルートゥースなどを用いて電子機器同士で無線通信する無線ヘッドフォンや無線マウスなども使える。タイプ2は従来同様、使用できない。

 タイプ1の場合、スマートフォンやタブレットなどを「機内モード」に変更の上、無線LANに接続するように設定すれば常時使用可能。タイプ2の航空機は、無線LANを設置できない仕様、あるいは設置していない機体だ。

 両タイプ共通で使うことができないのは、機外と通信するタイプの電子機器で、携帯電話などは電話回線とつながっている状態では使用不可。通話も禁止だ。携帯ゲーム機やパソコン、モバイルルーターなども使用できない。ただし着陸後、誘導路に進入すれば使えるようになる。客室乗務員のアナウンスを待とう。

 このように、電波を発する機器については、航空機により制限に違いがある。しかし、デジカメや機内モードに設定したスマートフォンなど電波を発しない機器であれば、搭乗から降機まで利用可能になる。マナーを守って利用しよう。

8月31日までの従来ルール(Aviation Wire作成)

9月1日からの「タイプ1」のルール(Aviation Wire作成)

9月1日からの「タイプ2」のルール(Aviation Wire作成)

関連リンク
国土交通省
9月1日以降の電子機器使用に関する規制緩和について(日本航空)
機内での電子機器の使用について(全日本空輸)

ケータイやデジカメの機内使用、9月から一部緩和(14年8月7日)
スカイマーク、A330で無料ネット接続サービス 8月から(14年7月23日)
JAL「スカイWi-Fi」、一足先に使ってみた(14年7月20日)

【お知らせ】
767のタイプ1とタイプ2の区分について、電波耐性に関して追記しました。(2014年8月14日 18:55 JST)