テレビ朝日が6月10日、政府が政府専用機の整備委託先を現在の日本航空(JAL/JL、9201)から全日本空輸(ANA/NH)へ変える方向で検討が進んでいると報じたことについて、ANAは「入札に向けて準備を進めているが、現時点で決定していることは何もない。報道は大変遺憾である」とコメントした。
政府専用機は現在、747-400を2機運用しているが2018年度に退役し、2019年度に2機導入する新機種に置き換える予定。ボーイングが777-300ER型機、エアバスがA350-900型機を提案しているが、政府は日米関係への配慮や日本の分担比率の高さから、ボーイング機を軸に選定を進めていると言われており、777-300ERが選ばれる可能性が高い。
JALとANAが運航する777について後継機を見ると、JALは現在保有する46機の777を2019年度から6年程度かけてA350に置き換える。昨年10月にA350-900を18機、A350-1000を13機の計31機を確定発注しており、このほかにオプション(仮発注)で25機を購入する契約を締結している。
一方、ANAは今年3月、ボーイングが777-300ERの後継機として開発中の777-9Xを2021年度から2027年度にかけて20機導入すると共に、777-300ERを2018年度から2019年度に6機追加導入すると発表。大型機を777からA350に切り替えるJALとは対照的に、ANAは777を継続使用する方針だ。
現在の政府専用機の整備委託先であるJALは、「これまで運用してきたノウハウがあるので、応札したい」とコメントしている。
関連リンク
ANAホールディングス
全日本空輸
・政府専用機、新デザイン決定(15年4月28日)
・次期政府専用機、777-300ERに正式決定 ANAが整備教育(14年8月12日)
・政府専用機整備の委託先を 日本航空から全日空へ(テレビ朝日、14年6月10日)
・政府専用機、777-300ERが最有力 777-9Xは間に合わず(14年5月14日)
・ANA、777-9XとA321neoなど70機発注 過去最大の投資規模(14年3月27日)
・日航、A350で777置き換え 777X採用ならず(13年10月7日)