このところ、国内のLCC(低コスト航空会社)に関する話題が賑やかだ。と言っても、機長不足をはじめとして、暗い話題が多い。
機長不足については、記者が日経ビジネスオンラインで毎週水曜日に連載している「天空万華鏡」で、「「機長不足」はLCCの問題にあらず」として取り上げた。航空会社だけでは解決が難しい問題なので、規制緩和の検討も必要だ。
ネガティブな話題が出ると、「LCCは危険だ」「LCCには乗りたくない」といった意見も紙面を賑わうようになる。記者は多様な意見があることを否定する気はまったくないが、「本当に国内LCCを利用した上で言っているのだろうか?」と疑いたくなるものも散見される。
弊紙では昨年に続き、今年も搭乗ルポ「1日でLCC3社に乗ってみた」を掲載することにした。1日で国内LCCの3社を乗り比べる取材で、LCC側には事前告知していない。昨年はエアアジア・ジャパン(WAJ/JW、現バニラエア)の成田発福岡行き早朝便が、定員180席に対して乗客18人という、ビジネスジェットのような状態だった。今年はどのような結果になるのだろうか。(後編はこちら)
GW実績はピーチが1位
搭乗ルポに入る前に、まず3社の利用実績を見てみよう。直近の繁忙期であるゴールデンウィーク期間中(4月25日から5月6日まで)のロードファクター(座席利用率、L/F)を見ると、ピーチ・アビエーション(APJ/MM)が国際線85.1%、国内線86.1%、国内線のみのジェットスター・ジャパン(JJP/GK)が75.7%、バニラエア(VNL/JW)が国際線80.8%、国内線64.9%。
国際線と国内線を合わせた全体平均を見ると、APJは85.6%、VNLは72.9%で、L/Fが高い順にAPJ、JJP、VNLとなった。現在、LCCの損益分岐点となるL/Fは最低でも80%は必要だと言われており、繁忙期でこの数字だと苦しい航空会社もあるようだ。
実際に乗った印象は、この順位に比例するのだろうか。
前便欠航で混雑。本当の搭乗率は?
今回の実施日は5月20日火曜日。理由は昨年同様、ゴールデンウィーク明けで観光需要が旺盛ではない時期であることと、LCC各社が一週間の中で安売りをする、すなわち乗客が多くない曜日の一つであることからだ。
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