新関西国際空港会社は5月20日、フォークリフトに燃料電池を使用するなど、水素エネルギーを本格的に導入すると発表した。2016年度までの3年間に空港施設内で水素エネルギーを活用する予定で、空港施設への大規模導入はアジア初となる。
2014年度から15年度にかけて、トヨタ自動車(7203)と豊田自動織機(6201)が開発した燃料電池フォークリフトを2台導入。岩谷産業(8088)が小規模な水素供給設備を整備し、医薬品専用共同定温庫(KIX-Medica)や貨物上屋などで実証事業を展開する。今後の燃料電池自動車の普及を視野に、本格的な液化水素ステーションを並行して整備していく。
2016年度までに、液体水素貯蔵施設と高圧水素配管、貨物上屋内に水素供給設備を整備。200台導入で二酸化炭素(CO2)排出量の削減効果が約300トンある、燃料電池フォークリフトの本格的な導入を開始する。将来的には、コンテナドーリーを牽引するトーイングトラクターへの展開も検討する。
関西空港は、世界最高水準の環境性と安全性を備えた空港を目指しており、「スマート愛ランド構想」と命名。空港島内での太陽光や水素を使用してエネルギーに変換し、エネルギー使用の効率化をはじめとした環境事業に取り組んでいる。柱の一つである「水素グリッドプロジェクト」では、国の支援や国際戦略総合特区制度を活用していく。
燃料電池は水素と酸素を使用して、電池内部の化学反応で発電する仕組みの電池。環境汚染物質をほとんど出さないので、地球環境に配慮した発電システムとして注目されている。
関連リンク
関西国際空港