国土交通省航空局(JCAB)は4月30日、地方航空路線の活性化や着陸料に関する懇談会を開催した。大学教授など6人の委員と、JCABからは田村明比古航空局長ら15人が出席し、地方空港路線の活発化プログラム対象路線や、着陸料の提案割引の対象路線についての論点を話し合った。
地方空港活性化プログラムは、一定の需要があるものの代替交通機関がないなどの路線について、住民のインフラとしてだけではなく、観光需要などの取り込みも図り活性化させるもの。約3億2000万円の予算を投じ、今後3年間で実証調査などを実施する。
対象路線は年間の旅客数が1万人以上10万人以下で、代替交通機関での移動が4時間以上、直行便と乗継便の時間差が90分以上、1社のみが運航している路線など、8路線程度を想定。具体的な要件なども今後審議していくとしている。
参加した委員からは、旅客数の下限(1万人)を撤廃してもいいのではないか、などの意見が出された。
着陸料の割引は、空港経営改革などを目的として実施する。国内線・国際線を問わず2路線程度を対象とし、新規の就航や増便分に対し、1年目は80%、2年目は50%、3年目は30%を割り引く案が出され、2014年冬ダイヤから適用したい考えを示した。
次回の開催は未定だが、今後も継続的に議論する予定。
国内航空需要の低迷や航空市場の競争激化など、地方航空ネットワークは困難な状況にあり、企業努力のみに依存した路線の確保は限界を迎えている。地方路線の維持や充実は地域が主体的に動き、航空会社と協力することが期待されている。空港に関しては、民活空港運営法の成立により空港運営を民間に委託し、空港を核にした地域活性化が期待されている。
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