エアバスはこのほど、ベトナムのハノイを拠点とする日機装ベトナムが、A320シリーズの燃料消費を改善する「シャークレット」の複合材製の桁とパネルを製造するサプライヤーに選定されたと発表した。エアバスがベトナムで構造部品製造の契約を締結するのは初めて。
日機装(6376)の100%出資子会社の日機装ベトナムは、シャークレットの1次サプライヤーである大韓航空航空宇宙事業本部との契約で、製造作業を担う。
シャークレットはA320シリーズにオプションとして提供され、A320neoシリーズでは標準装備となる。軽量な複合材で作られたシャークレットは、燃料消費を最大で4%改善するもので長さ約2.4メートル。従来機で翼端に備えられていたウイングチップ・フェンスに替わるもの。燃費を改善するだけではなく、航続距離を約100海里(約185キロメートル)延ばし、ペイロードを最大450キログラム増加させる。
現在A320ファミリーの受注残は4280機以上あり、日機装ベトナムにとって長期的な製造が見込まれる。
親会社の日機装は、エアバス機のジェットエンジンに搭載される、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製の逆噴射装置用カスケード(整流格子)を製造している。