全日本空輸(ANA)をはじめとするANAグループで、もっとも定員が少ない旅客機、ANAウイングス(AKX)が運航するボンバルディアDHC-8-Q300型機(56席)が3月31日、退役した。これに伴い、羽田-三宅島線は4月から運休。ANAは三宅島から撤退する。
Q300は双発ターボプロップ機で、2001年から日本航空機製造YS-11型機の後継機として5機導入された。同年7月1日から羽田-大島線に就航し、羽田-三宅島線には火山活動による運休後、7年8カ月ぶりの運航再開となった2008年4月26日から投入された。
就航当初の塗装は、つばき(登録番号JA801K)、ひまわり(JA802K)、すずらん(JA803K)、コスモス(JA804K)、はまなす(JA805K)と、5機すべてが異なるデザインで、「フラワー・プロップ」の愛称で親しまれた。
2012年11月までに4機が退役済みで、最後の1機となったのはJA804K。最終便となった31日の1849便は、羽田を定刻の午前11時45分より遅れて出発したものの、三宅島の火山ガスの影響で羽田に引き返しとなり、午後3時29分に羽田へ戻った。
ANAの羽田-三宅島線は、1966年3月4日就航。2000年9月7日に三宅島の雄山噴火により休止し、2008年4月の再開から6年で路線休止となった。火山ガスの影響で就航率は50%に満たず、2012年度は38.4%、2013年度(4月から2月まで)は40.3%だった。
退役となったJA804Kは、5月にデンマークへ売却予定。また、三宅路線については新中央航空が調布-三宅島線を4月2日から1日3往復で運航する。