ボーイングは現地時間3月7日、787型機の引き渡し前の機体で、主翼に微細なひびが入る恐れがあることを明らかにした。運航中の機体にひび割れが生じる可能性はないという。
問題の主翼は、引き渡し前の機体約40機分のもの。製造は三菱重工業(7011)の名古屋航空宇宙システム製作所大江工場が担当しており、炭素繊維と樹脂を組み合わせた炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製。主翼のスキン(外板)とリブ(小骨)の結合部に、組立作業時に髪の毛程度のひびが入る可能性があることがわかった。
三菱重工によると、品質向上のための工程見直しをボーイングと実施した際、製造工程を一部変更したことが原因とみられるという。詳しい原因は調査中で、現在は製造工程の大半を元に戻している。
ボーイングでは、対応は1週間から2週間程度で済むとしており、現在の月産10機体制に影響はないとしている。
787は2月末時点で、787-8(242席クラス)を495機、787-9(280席クラス)を404機、787-10(323席クラス)を132機受注。787-8を122機引き渡し済みで、787-9は今年中頃から、787-10は2018年から引き渡しを始める予定。
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