最上級の空の旅はどのように進化するのか──。エアバスは、A350-1000型機向けの新たな個室ファーストクラス「ファーストクラス・エクスペリエンス」構想を現地時間4月9日に発表した。ドイツ・ハンブルクで10日まで開かれている航空機内装品展「AIX(エアクラフト・インテリア・エキスポ2025)」の自社ブースで、AR(拡張現実)による3D展示として出展した。

エアバスが提案するA350-1000向け最新ファーストクラスは従来の中央席の位置に2人用スイートを用意する(同社提供)
ファーストクラスは1-1-1室配列で、エアバスの社内デザインチームが設計した「マスタースイート」が目玉。客室に2本ある通路の間に設置する2人用のスイートルームで、専用の化粧室や着替えスペース、バー、ダブルベッドなどを備え、エアバスのイラストからは窓の代わりとしてスクリーンが配されているようだ。
最前方の1番ドア(L1-R1)から2番ドア(L2-R2)までの空間を最大限に活用。従来は化粧室や収納スペースなどで使われていた床面積を、新たに1番ドアの直後に設けたセンターモジュールへ移動させることで、ファーストクラスの客室エリアを拡大した。コックピット上にあるパイロット用休憩室への階段もこのモジュール内に設け、客室内の動線を簡素化し、静かな空間を実現するという。
天井が高く、機内の幅も広いA350-1000は、最上級クラスを設けるのに適しているとし、新たな天井パネルや導光パネルなどを組み合わせることで、空間の広がりや高級感を演出できるとしている。
エアバスは、今回の展示を通じて航空会社へ提案し、今後の製品化に向けた意見を取り入れていく。

A350-1000のファーストクラス左窓側となる1A席(上)から通路を挟んで設けられる2人用スイート(エアバス提供)

エアバスが提案するA350-1000向け最新ファーストクラスは従来の中央席の位置に2人用スイートを用意する(同社提供)

エアバスのA350-1000向け最新ファーストクラスのイメージ(同社提供)

パリ航空ショーで飛行展示を披露するA350-1000試験2号機=17年6月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

パリ航空ショーで飛行展示を披露するA350-1000試験2号機=17年6月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
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