トキエア(TOK/BV)は4月3日、新潟空港へ2日夜に到着した3号機(ATR42-600型機、登録記号JA03QQ)に、足もとが広いシートを設定したと発表した。4月29日に開催予定のチャーター便に投入予定だが、当初は予備機としても使用するため、これより前に定期便に投入する可能性もある。

新潟空港に到着したトキエアの3号機ATR42(同社提供)
トキエアの機材は、2024年1月31日の就航時から使用しているATR72-600型機(1クラス72席)が2機(JA01QQ、JA02QQ)と、2日に新潟へ到着したATR42-600(同46席)が1機の計3機。3号機は那覇空港を2日午後6時1分に離陸し、新潟空港には午後9時18分に到着した。
座席は46席のうち、前方12席は足元を広くしたという。29日に予定しているチャーターは新潟発着の遊覧飛行で、旅行会社KOKK(新潟・新発田市)の「ハミングツアー」として開催予定。ツアー名は「春の越後平野遊覧飛行」で、空港に集合するプランと、バスツアーをセットにしたプランを販売している。
午前と午後に運航予定で、午前便の運航スケジュールは新潟空港に午前10時30分集合、30分間のフライト後、新潟空港へ戻り正午に解散。午後便は午後2時30分集合で、同様のフライト後、午後4時に解散となる。
現地集合の場合、旅行代金は大人2人1組で2万9800円、大人3人1組は4万4800円などとなっている。また、大人1人の窓側指定は席数限定で午前便が2万3800円、午後便は2万1800円としている。最少催行人数は各便30人。
3号機は予備機としても使用するため、初の商業運航便は3日時点で決定していないが、29日より前に定期便投入がない場合は、この遊覧飛行が初便になる。

新潟空港に到着したトキエアの3号機ATR42(同社提供)

トキエアの3号機ATR42-600の客室(同社提供)
3号機は、ATRの最終組立工場がある仏トゥールーズのブラニャック空港を現地時間2024年12月2日に出発。経由地はギリシャのイラクリオン国際空港、エジプトのカイロ国際空港、アラブ首長国連邦のドバイ国際空港、インドのハイデラバード空港、タイのドンムアン空港、台湾の台北松山空港を経て、同月7日に那覇空港へ到着した。那覇で必要な整備作業などが終わり、新潟へフェリー(回航)した。
トキエアは計画から約2年遅れとなる2024年1月31日に就航。新潟-札幌線が1路線目で、同年4月26日に2路線目の新潟-仙台線を、9月27日には3路線目の新潟-中部線を開設した。このうち、仙台線は3月30日から運休し、夏休みにあたる7月26日から8月31日までは運航する。また、新潟-神戸線を3月30日に週4往復で開設した。
3号機を使い、佐渡空港への就航を計画しているが、滑走路長が890メートルと短く、乗客数を約半分の22人に抑えなければならない。製造元の仏ATRは、短い滑走路で離着陸できるSTOL(短距離離着陸)型「ATR42-600S」を開発していたが、サプライチェーンのひっ迫が続いていることや市場調査の結果、現地時間2024年11月13日に開発中止を決定。トキエアも導入を検討していた機体で、就航計画を見直す必要が出ている。
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