エアバス, エアライン, 機体, 解説・コラム — 2025年4月2日 20:22 JST

JAL、A350-1000初の重整備 入社式”列席”2号機から実施

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 日本航空(JAL/JL、9201)は4月2日、国際線の新フラッグシップとなったエアバスA350-1000型機が初の重整備を迎えたことを明らかにした。フライト時間や経過年数などに応じて実施される定期的な整備作業で、1日の入社式にも“列席”した2号機(登録記号JA02WJ)がJALのA350-1000では最初の重整備を迎えた。

JALのA350-1000初の重整備を受ける2号機JA02WJ(同社提供)

—記事の概要—
初のCチェックは2号機
A350-1000ロゴ入り

初のCチェックは2号機

 重整備は「C-CHECK」「K-CHECK」「M-CHECK」の3種類があり、今回実施するものはC-CHECK(Cチェック)。航空機の安全性を確保するため、これらの中でも重要な整備作業にあたるといい、おおむね1年半から2年ごとに実施している。

羽田空港の格納庫で開かれたJALグループの入社式に”列席”したA350-1000 2号機JA02WJ=25年4月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 2号機は3月29日にロンドンからJL44便で羽田へ戻り、Cチェックに入った。作業期間は4月中旬までとなる見込み。

 JALによると、チェック項目は、各舵面のルブリケーション、各エリアのインスペクション、ハイドロシステムのフィルターエレメント交換、シートのオペレーションチェック、各システムのオペレーションチェック、エンジンのボア・スコープ・インスペクションになるという。

JALのA350-1000では最初に重整備を受けることになった2号機JA02WJ=24年12月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 一方、2019年9月1日に就航したA350-900は、最初のCチェックは初号機(JA01XJ)が迎え、2021年6月に実施。JAL初のA350に対するCチェックとなった。A350-900は現在15機で、全機が国内線仕様機となっている。

A350-1000ロゴ入り

 2号機はエアバスの最終組立工場がある仏トゥールーズで現地時間2024年1月10日に引き渡され、羽田空港には同月14日に到着。当初は2月2日に就航予定だったが、整備作業が計画より早く完了したため、1月26日に前倒しして就航し、1路線目の羽田発ニューヨーク行きJL6便に投入された。

羽田空港の214番スポットへ到着したJAL A350-1000 2号機のフェリーフライトJL8102便=24年1月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

機体後部に赤いロゴのデカールが貼られたJALのA350-1000 2号機JA02WJ=PHOTO: Yoshikazu TSUNO/Aviation Wire

羽田空港で出発を待つJALのA350-1000ダラス線投入初便のJL12便(手前、初号機JA01WJ)と赤いロゴのデカールを貼ったばかりの2号機JA02WJによるニューヨーク行きJL6便=24年4月17日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 現在8機あるA350-1000のうち、初号機(JA01WJ)と2号機は機体後部の左右に赤い「A350-1000」ロゴのデカールが貼られている。大きさは1枚約2メートル×1メートルのものを片側28枚、計56枚貼り付けており、2号機は4月17日からロゴ入りで運航している。

 JALのA350-1000は、2024年1月24日に就航。座席数は4クラス239席で、ファーストクラスとビジネスクラスはJAL初の個室タイプのシートを採用した。エンジンは英ロールス・ロイス(RR)製Trent XWB-97(トレントXWB-97)を搭載している。ボーイング777-300ERの後継機で、13機発注済み。2025年度は3機受領し、11機体制を計画している。

 5月1日からは羽田-パリ線に、2025年度夏ダイヤ期間中(3月30日から10月25日)にはロサンゼルス線への投入も予定。また、2月12日からは初のアジア路線として、羽田-シンガポール線にも期間投入した。

JALのA350-1000初の重整備を受ける2号機JA02WJ(同社提供)

JALのA350-1000初の重整備を受ける2号機JA02WJ(同社提供)

JALのA350-1000初の重整備を受ける2号機JA02WJ(同社提供)

JALのA350-1000初の重整備を受ける2号機JA02WJ(同社提供)

JALのA350-1000初の重整備を受ける2号機JA02WJ(同社提供)

JALのA350-1000初の重整備を受ける2号機JA02WJ(同社提供)

JALのA350-1000初の重整備を受ける2号機JA02WJ(同社提供)

JALのA350-1000初の重整備を受ける2号機JA02WJ(同社提供)

JALのA350-1000初の重整備を受ける2号機JA02WJ(同社提供)

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JAL国際線 AIRBUS A350-1000
日本航空

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動画(YouTube Aviation Wireチャンネル
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初便就航
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写真特集・JAL新旗艦機A350-1000
(1)ダブルベッドも可能な個室ファーストクラス
(2)個室内で完結する足もと広々ビジネスクラス
(3)後ろを気にせず電動リクライニングできるプレエコ
(4)4K13インチ画面エコノミーは快適さ追求