エアライン, 解説・コラム — 2025年4月1日 19:30 JST

JAL入社式、鳥取社長「いかなる仕事も安全運航とつながっている」2100人出席

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 日本航空(JAL/JL、9201)は4月1日、グループ合同の入社式を羽田空港の格納庫で開いた。グループ40社約2100人の新入社員が集まり、閉式後は恒例となった折り紙ヒコーキ(紙飛行機)を飛ばした。

羽田空港の格納庫で開かれたJALグループの入社式で紙飛行機を飛ばす新入社員とJALの鳥取社長=25年4月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要—
御巣鷹山から40年
大谷選手「チャレンジする気持ち忘れずに」

御巣鷹山から40年

 鳥取三津子社長は「変化を恐れず、新たなチャレンジができることに心踊る気持ちでいっぱい」と述べた上で、今後重要なこととして「安全の大切さ」と「お客様視点の大切さ」を挙げた。

羽田空港の格納庫で開かれたJALグループの入社式で紙飛行機を飛ばす新入社員とJALの鳥取社長=25年4月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire (Remote Shooting)

入社式で訓示するJALの鳥取社長=25年4月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 「過去の事故の教訓から絶えず学び続け、安全運航へのたゆまぬ努力が重ねられてきたことを決して忘れてはならない。(1985年8月12日に起きた)123便御巣鷹山事故から40年目の節目に当たる。今後もお客さまを安全、安心に目的地までお送りする大きな使命を担っていることを常に考えなければならない。JALグループでは、いかなる仕事であっても、安全運航とつながっている。その先にはお客さまのかけがえのない命をお守りすることだ」と、安全の重要性を訴えた。

 顧客重視については、「お客さまの声に耳を傾け、学ぶ姿勢を大切にする。迷った際の答えが常にここにある」と述べ、「大阪・関西万博には国内外から多くのお客さまをお迎えする見込みで、訪日客は史上最高の4000万人を超えると予想している。お客さまの価値観やバックグランドの多様化が進む中、JALグループ社員は常にお客さま視点を磨き続けることを大切にしている」と、JALが2010年1月19日の破綻後に制定した「JALフィロソフィ」の存在を交え、安全と顧客の大切さを語りかけた。

JALグループ入社式で新入社員代表のJALデジタルのムザッファさん(右)から手渡された宣誓書を受け取るJALの鳥取社長=25年4月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港の格納庫で開かれたJALグループの入社式で紙飛行機を飛ばす新入社員とJALの鳥取社長=25年4月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 今年は2021-2025年度中期経営計画の最終年度にあたる。鳥取社長は「さらなる成長の時期に向かう重要でチャレンジングな年。社員全員で力を合わせることができれば、必ず目指す未来に到達できると信じている。JALフィロソフィでは『果敢に挑戦する』『一人ひとりがJAL』を実践していこう。社員が心から楽しんで働ける、一人ひとりの能力を最大限発揮できる、力強いJALグループをみなさんと作っていきたい。私たちが社会に必要とされる存在であるために、全社員一丸となって進んでいこう。仲間への感謝の気持ちを忘れず、明るく前向きに一緒にがんばろう」と結んだ。

 1日の羽田空港の気温は、入社式が開かれた正午の時点で6.2度と冷え込み、会場には急きょ携帯カイロが用意され、多くの新入社員が4月ながらコート姿で列席していた。また、これまで会の中で礼をする際は新入社員が起立していたが、今年からは着席のまま礼をする形に改められた。

大谷選手「チャレンジする気持ち忘れずに」

 新入社員を代表し、JALデジタル(旧JALインフォテック)のオリフジャノフ・ムザッファさんが宣誓。AIの活用などで、より利用しやすいサービスを開発していきたいという。

羽田空港の格納庫で開かれたJALグループの入社式にビデオメッセージを送ったドジャースの大谷選手=25年4月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 また、JALがサポートするロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手も「チャレンジする気持ちを忘れずに」とビデオメッセージを寄せた。

 パイロット訓練生として入社した杉村百江梨(もえり)さんは、「旅行や留学の経験を通して世界との架け橋になる職業に就きたいと思ったのがきっかけです」と話す。女性パイロットが増えてきていることについては「選考は誰でも挑戦できる環境が整っていました」と話し、一番操縦してみたい機種は「これからじっくり考えたいです」と笑顔を見せた。

 会場となった羽田の格納庫には、JALの新たな国際線フラッグシップとなったエアバスA350-1000型機の2号機(登録記号JA02WJ)が“列席”。新入社員たちは機体をバックに記念写真を撮っていた。

*写真は25枚。

羽田空港の格納庫で開かれたJALグループの入社式で紙飛行機を飛ばす前に新入社員と記念撮影する鳥取社長=25年4月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

入社式で訓示するJALの鳥取社長=25年4月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港の格納庫で開かれたJALグループの入社式に出席する新入社員=25年4月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港の格納庫で開かれたJALグループの入社式でおじぎをする新入社員=25年4月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港の格納庫で開かれたJALグループの入社式にビデオメッセージを送ったドジャースの大谷選手=25年4月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港の格納庫で開かれたJALグループの入社式で「仲間と共に、未来へ」とメッセージボードを掲げる先輩社員たち=25年4月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港の格納庫で開かれたJALグループの入社式で「JALグループへようこそ!」とメッセージボードを掲げる先輩社員たち=25年4月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港の格納庫で開かれたJALグループの入社式で紙飛行機を飛ばす前に新入社員と語らう鳥取社長=25年4月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港の格納庫で開かれたJALグループの入社式で紙飛行機を飛ばす前に新入社員と記念撮影する鳥取社長=25年4月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港の格納庫で開かれたJALグループの入社式で紙飛行機を飛ばす新入社員とJALの鳥取社長=25年4月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港の格納庫で開かれたJALグループの入社式で紙飛行機を飛ばした新入社員とJALの鳥取社長=25年4月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

JALグループ入社式で新入社員代表として宣誓したJALデジタルのオリフジャノフ・ムザッファさん=25年4月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

JALグループ入社式で新入社員代表として取材に応じるパイロット訓練生の杉村百江梨さん=25年4月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港の格納庫で開かれたJALの入社式後に辞令を受け取る客室乗務職の新入社員=25年4月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港の格納庫で開かれたJALの入社式後に写真撮影に応じる客室乗務職の新入社員ら=25年4月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港の格納庫で開かれたJALの入社式後に辞令を受け取る運航乗務職訓練生=25年4月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港の格納庫で開かれたJALの入社式後に辞令を受け取る運航乗務職訓練生=25年4月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港の格納庫で開かれたJALグループの入社式後に訓示するJALスカイ九州の長谷川文彦社長=25年4月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港の格納庫で開かれたJALの入社式後に写真撮影に応じるアスリート社員の陸上(短距離走)・鵜澤飛羽選手=25年4月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関連リンク
日本航空

鳥取社長の発言
JAL鳥取社長、パイロットの給与「上げていきたい」海外との乖離課題(25年3月24日)
JAL鳥取社長「1回目がないのは日本にマイナス」若者の海外旅行支援、国内線4950円も
(25年1月8日)
JAL鳥取社長「人の人生を狂わせてしまった責任感じた」慰霊の園で39周年追悼慰霊式(24年8月12日)

ANAの入社式
ANA、新入社員5年ぶり3000人超 格納庫で25年度入社式(25年4月1日)

JALの入社式(2013年から2024年)
JAL鳥取新社長「どの業務も必ず『安全』につながっている」過去最多2600人が入社(24年4月1日)
JAL赤坂社長「一人でも欠けてはできない仕事」入社式で紙飛行機飛ばす(23年4月3日)
JAL赤坂社長「新しい価値生み出して」格納庫で下期入社式(22年10月4日)
JAL、ライブ配信で入社式 赤坂社長「イベントリスクは必ず終わりある」(20年4月1日)
入社式中に新元号「令和」発表 JAL赤坂社長「真のプロ目指して」(19年4月1日)
JAL赤坂新社長「安全は全員で守っていくもの」18年度入社式(18年4月2日)
JAL、17年度下期入社式 植木社長「つぶれたのではなく、つぶした会社」(17年10月3日)
JAL植木社長「成長というものを誤解しないで」17年度入社式(17年4月3日)
松井秀喜氏「練習苦にならなかった」 JAL入社式で激励(16年4月1日)
植木社長「新しいことに挑戦する勇気を」JAL、15年度入社式(15年4月2日)
JALが入社式 決意託した紙飛行機がテイクオフ(14年4月2日)
JAL、3年ぶり再上場後初の入社式 植木社長「選んでくれてありがとう」(13年4月1日)

  • 共有する:
  • Facebook
  • Twitter
  • Print This Post