ANAホールディングス(9202)は2月7日、那覇空港のLCC(低コスト航空会社)専用ターミナルの国際線用施設を報道関係者に公開した。10日からピーチ・アビエーション(APJ)が使用する。
那覇のLCCターミナルは、ANAが借り受けている那覇空港貨物ターミナル内の一部施設を旅客用に改装したもので、2012年10月に開設(関連記事)。これまでは国内線用施設のみだったが、10日からは国際線も同じターミナル内で一体運用できるようになる。
国際線施設2090平方メートルの増床により、3082平方メートルだった同ターミナル上屋内の面積は、5172平方メートルに増える。増床費用は3億5000万円で、13年10月末に着工し、1月31日に竣工した。
CIQ(税関・出入国管理・検疫)を設置し、職員が同空港の国際線ターミナルから出向いて対応。出発便2便まで同時対応できる。
新しい搭乗待合室の一部は国内線と国際線両用とし、混雑状況に応じて切り替える。搭乗や降機は、国内線施設と同様に徒歩。手荷物の受取場所も、係員が床に手荷物を並べる。PBB(搭乗橋)やバス、ベルトコンベアを使用しないことで、運用コストを削減する。
13年のLCCターミナル利用者数は、1年間に国内線のみで約40万人。ANAHDでは、16年度末までに国際線と国内線合わせて年間200万人を目指し、このうち国際線は2割を見込む。就航便数は、20往復から25往復の運航を視野に入れる。
現在APJが那覇から運航している台北(桃園)線は、既存の国際線ターミナルで搭乗手続きを行った後、LCCターミナルに駐機している機体へ向かうため、搭乗に10分程度時間がかかっている。今後はLCCターミナル内で搭乗手続きが行えるようになるため、国内線と国際線の乗り継ぎ時間を短縮できる。また、APJの乗り場が統一されることで、旅慣れていない人でも利用しやすくなる。
同ターミナルには、APJのほかにANAHDの100%子会社であるバニラエア(VNL)が就航。APJが関西-那覇線を1日3往復、那覇-石垣線を1日1往復、那覇-台北線を1日1往復運航しており、第2ハブの運用を開始する7月19日からは那覇-福岡線を新設する。VNLは成田-那覇線を1日3往復運航している。
ANAHDの芝田浩二アジア戦略部長は、「クアラルンプールなどLCC老舗のターミナルと比べて遜色ない。チェックインから搭乗までの時間が短く、使い勝手の良いターミナルだ」と述べた。目標とする利用者数については、「大分や岡山、仙台空港の利用者数が150万人から160万人。こじんまりとしたターミナルだが、宮崎空港などと肩を並べる」と期待感を示した。
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