米空軍は現地時間3月21日(日本時間22日)、次世代制空戦闘機「F-47」の開発契約をボーイングが獲得したと発表した。次世代制空(NGAD=Next Generation Air Dominance)プラットフォームの「エンジニアリング・製造・開発(EMD)」段階に関する契約で、世界初の第6世代戦闘機となるF-47の開発が正式に始動する。

世界初の第6世代戦闘機となるF-47のイメージ(米空軍提供)
F-47は、次世代ステルス、センサーフュージョン、長距離打撃能力を備え、敵の防空網下でも優位性を維持できる戦闘機として設計される。機体は将来的な技術革新にも対応可能なモジュラー設計を採用した「アダプタブル(adaptable)」な思想に基づくもので、「NGADファミリー・オブ・システムズ」の中核を担う。
トランプ大統領はホワイトハウスで開いた記者会見で「世界初の第6世代戦闘機F-47が、我々の空の支配力をさらに強化する。敵は決してこれを予測できない」と述べ、米国の航空優勢維持への強い決意を示した。
ボーイングの防衛・宇宙・セキュリティ(BDS)部門トップであるスティーブ・パーカー暫定CEO(最高経営責任者)は、「米空軍に第6世代の能力を提供するという重要な任務に向け、当社史上最大の投資を行ってきた。最も革新的で先進的な機体を提供する準備が整っている」とコメントした。
F-47の開発に向けた動きとして、これまでに多数の実験機「Xプレーン」を用いたステルス性や自律運用、長距離能力などの検証が進められている。今後は少数の試験機が製造され、初期低率生産(LRIP)への移行も視野に入れて開発が進む。配備時期や配備拠点などは今後数年かけて検討される。
詳細なF-47の仕様は、国家安全保障と輸出管理上の理由から非公開。米空軍とボーイングは、同機を通じて今後数十年にわたり航空優勢を維持するとしている。

世界初の第6世代戦闘機となるF-47のイメージ(米空軍提供)
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