ボーイング, 官公庁, 機体 — 2025年3月22日 10:54 JST

米空軍の次世代戦闘機「NGAD」F-47、ボーイングが開発 世界初の第6世代機

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 米空軍は現地時間3月21日(日本時間22日)、次世代制空戦闘機「F-47」の開発契約をボーイングが獲得したと発表した。次世代制空(NGAD=Next Generation Air Dominance)プラットフォームの「エンジニアリング・製造・開発(EMD)」段階に関する契約で、世界初の第6世代戦闘機となるF-47の開発が正式に始動する。

世界初の第6世代戦闘機となるF-47のイメージ(米空軍提供)

 F-47は、次世代ステルス、センサーフュージョン、長距離打撃能力を備え、敵の防空網下でも優位性を維持できる戦闘機として設計される。機体は将来的な技術革新にも対応可能なモジュラー設計を採用した「アダプタブル(adaptable)」な思想に基づくもので、「NGADファミリー・オブ・システムズ」の中核を担う。

 トランプ大統領はホワイトハウスで開いた記者会見で「世界初の第6世代戦闘機F-47が、我々の空の支配力をさらに強化する。敵は決してこれを予測できない」と述べ、米国の航空優勢維持への強い決意を示した。

 ボーイングの防衛・宇宙・セキュリティ(BDS)部門トップであるスティーブ・パーカー暫定CEO(最高経営責任者)は、「米空軍に第6世代の能力を提供するという重要な任務に向け、当社史上最大の投資を行ってきた。最も革新的で先進的な機体を提供する準備が整っている」とコメントした。

 F-47の開発に向けた動きとして、これまでに多数の実験機「Xプレーン」を用いたステルス性や自律運用、長距離能力などの検証が進められている。今後は少数の試験機が製造され、初期低率生産(LRIP)への移行も視野に入れて開発が進む。配備時期や配備拠点などは今後数年かけて検討される。

 詳細なF-47の仕様は、国家安全保障と輸出管理上の理由から非公開。米空軍とボーイングは、同機を通じて今後数十年にわたり航空優勢を維持するとしている。

世界初の第6世代戦闘機となるF-47のイメージ(米空軍提供)

関連リンク
U.S. Air Force
Boeing
ボーイング・ジャパン

フラップ・ラダー置き換える実証機X-65 ボーイング系オーロラ、25年初飛行へ(24年1月12日)
ボーイング系オーロラ、混合翼の高速VTOL機を設計へ SPRINT X-plane(23年11月18日)
米空軍、B-21次期ステルス爆撃機が初飛行 B-2やB-52置き換え(23年11月11日)
全翼機やプロペラも エアバス、水素燃料旅客機を2035年実現へ(20年9月22日)

  • 共有する:
  • Facebook
  • Twitter
  • Print This Post