仏のターボプロップ(プロペラ)機メーカーATRは現地時間3月21日、フェデックス エクスプレス(FDX/FX)を傘下に持つ米フェデックスとATR72-600F貨物機を10機追加する契約を締結したと発表した。航空貨物部門の子会社フェデックス エクスプレス(FDX/FX)が運航する機体で、引き渡しは2027年から2029年を予定しており、2017年の確定発注30機と合わせると40機になった。

フェデックスのATR72-600F貨物機(ATR提供)
ATR72-600Fは、70席級の旅客機ATR72-600をベースにした新造貨物機で、現在市場で唯一生産中のリージョナル貨物機。前方左側に大型貨物ドアを備え、ULD(ユニット・ロード・デバイス)モードではLD3コンテナやパレットを搭載でき、バルク貨物にも対応する。機内は最大75立方メートルの容積が確保され、最大ペイロードは9.2トンで、88×108インチ(2.24×2.74メートル)のパレット5枚か、LD3コンテナ最大7個を積載できる。
フェデックスは、ATR72-600Fの初号機を2020年に受領しており、確定発注30機に今回の追加発注10機が加わった。従来は旅客機から改修したATRの貨物機を運航しており、新造機への更新を進めている。
ATRによると、フェデックスが運航するATR72-600Fは、小規模市場を結ぶフィーダー業務を担っており、マイアミのような温暖地からアラスカの寒冷地まで、幅広い環境で柔軟に運航できるという。
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フェデックス
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