日本航空(JAL/JL、9201)と日本電気(NEC、6701)は3月17日、JALグループ社員が関連施設間の移動で利用する「業務連絡バス」の一部区間で、顔認証による乗車システムなどの実証実験を始めた。NECの通信・AI技術を活用した実証実験で、羽田空港の整備地区で運行する連絡バスの一部区間で、限定された走行区域を走行する自動運転レベル2(部分運転自動化)の運転支援車を導入する。24日まで。

JALとNECの実証実験で使用する「Minibus」(両社提供)

JAL業務連絡バス乗車時の顔認証(イメージ、JAL提供)
JALグループ社員の専用アプリケーションで乗車予約し、顔認証後にバスへ乗車する。バスは運転手が必要なレベル2で、NECの遠隔見守りシステムを活用し、走行状況をリアルタイムに確認する。このほか乗車確認や案内など、ドライバーが担う運転以外の付帯業務の自動化・省人化も検証する。バスはTIER IV(ティアフォー、東京・品川区)の自動走行システムを搭載する「Minibus」を使用する。
近年はバスの運転手不足や利用者減により、バス路線の維持が全国的に困難になりつつある。JALとNECの両社は今回の実証結果をもとに、地域や空港周辺の移動課題の解決として、新たな移動手段の提供を検討していきたい考え。将来的には自動運転技術の空港業務への活用や、顔認証などのシステム連携による空と地上のシームレスな移動を目指していく。

JALとNECが展開する顔認証での業務連絡バス乗車実証実験(両社提供)
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